Kinkoちゃん随筆

書に遊ぶKinkoちゃんの気ままな日常 ・・・現代アートから海外情報、最近なぜか少年隊まで⁈なブログ

2005年10月

アロマの力 2

そして、この家は四季折々にいろんな発見があった。
枯れていた山が芽吹いて緑いっぱいになり、また秋がくる、という季節の変化だけでなく、なんと言っても隣のお宅の庭には随分いい思いをさせてもらった。
冬に即決した物件なので、何にも咲いていない、葉っぱもさびしい木しか見ていなかったので、全部が思いがけないおまけ。季節がめぐるたびに、観光客みたいに喜んでいる。
春には桜が咲き、夏には見事なアジサイが咲き。
そして、今、どこにあるのかわからないのだが、キンモクセイもあるようなのだ。
私はキンモクセイの香りは子供の頃から大好きだった。
家にほんの一本あっただけだが、すごくいいにおいがした。
今この辺りを歩くと、さすがにいろんな所に見事な大きい木があって、ずっと香りを楽しめる。
でも、何より、家の中が一番香っている。
今や畳の影がうすいくらいなのだ。
雨音が気持ちよくて、涼しいけれど窓を開けていると、家中に甘い香りが満ちてくる。
なんだか色々考えなきゃならないことがあったはずなんだけど、トロっとして解放されていた。
アロマテラピーなんていうと、乙女チックでこっぱずかしいけど、こうして甘い香りに包まれていると、香りの力を感じずにはいられない。
考えるなんてことを飛び越えて、直接何か作用してしまうところがある。
いつまでこうしていてくれるのかな、なんて雨を眺めながら、このままだと、何にもせずに夢心地で日を過ごしてしまうなあ、なんて怠け者の私が心配でもある。
う〜ん。でも、その心配もトロっとした空気のずっと向こうにいっちゃうんだよね。

アロマの力 1

今いる山の家に越して来たのは去年の暮れなので、秋を迎えてようやく四季のすべてを体験したことになる。
急な引越しだったので、入居に際してのリフォームなんてとんでもない。修理とクリーニングだけ間に合わせて、あとは気づいた所にちょっとずつ手を加えているところだ。
で。
ようやく。
畳替えまでやってきた。
自分の家だけでも、7軒目というのに、なんと初体験。
国産の畳表にこだわるという畳屋さんをみつけてお願いすることにした。
ちゃんとしたことは知らなかったけど、なんとなく夏の湿気はよくない気がして後回しにしていたのだが、やっぱり春秋がよいらしく、ちょうど9月にはセールが予定されていて随分いい表をお得な価格で使ってもらえた。
畳の縁も選ばせてもらって、なんか自分の家を管理している実感!みたいなのを感じて、すごく大人になった感じでくすぐったい。何歳になったの?って色んなとこからいっぱいツッコまれそうだけどね。
とってもいいお天気のまま半日たち、真っ青な畳がやってきた。
この瞬間って初めて見た。
あっという間に敷き終わる。3枚目くらいから畳の香りがぷんぷんした。
緑から紺に替えた縁もすごく馴染んでる。成功。
やっとこの中古の家が自分たちの物になった感じがした。
畳の部屋は入って一番奥にあるんだけど、毎日玄関を入る度に畳のにおいがして、展示場に見学に来たみたいだねえ、なんて会話もはずむ。
別に無くても困らないなあ、なんて一軒前は和室なしの所にしたんだけど、やっぱりあるとないとじゃ全然違うんだなあ。なくなってみて初めてわかった。
見た目にも、こだわりの畳表だけあって、編み方がしっかりして気持ちいいんだけど、畳の魅力はやっぱりこの香りなのかな。何年かに一遍こうして新しい気分が味わえるのは和室ならではの楽しみ。いいもんだな、と思った。
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