前にご紹介した宗クンも4才になりました。

体も急に大きくなって、言葉もちゃんとした文になってきて、成長には目をみはります。

相変わらずどこかで印象に残った漢字を書いていますが、それが一段落すると、テキストを眺めて気に入った漢字を書きます。そのテキストというのが、弘法大師(空海)の
「聾瞽指帰」
たまたま手元にあった長い長い折り帖式のものをプレゼントしたら、それが唯一のテキストになっています。

今さらそんなことでは驚きませんが、またガツンとやられました。

今年は久しぶりにKinkoの作品が創玄現代書展の選抜部門に選抜されたので、教室のみなさんに、作品集を見せていました。入賞経験者以上しか応募できない中での7%の入選率もともかく、普通の書道展と違い、3名の先生のみで作品を選ぶので、個性のある作品も多くて面白い展覧会です。
いろんなバリエーションの作品を見て参考にしてもらえれば、と閲覧してもらいました。

とはいえ、なかなか大人でも初心者の方は圧倒されてしまったり、何を見ていいやら困ってしまったりすることが多いものです。
ところが、手にした宗クンはニコニコしながら、まるで絵本を見ているかのような雰囲気で1ページ1ページちゃんと目を通してページを繰っていきます。
時には目を丸くしたり、表情を変えながら。
そこで
「宗クンも早くそういう字を書けるようになろうね」
と言ったところ・・・
「こんな大きい字書けへん!!」

えっ?!
わかるの?
・・・す、すごぉ〜い!!
半紙より小さい作品集に写った10センチやそこらの作品の写真を見て、大きい作品だ、と感じているのです。
やられました。
先生である私なんかでも、最近まで説明されても「実感」がわかなかったようなことを、最初から「感じてしまう」種類の人がいるんだなぁっていうことを、目の当たりにした瞬間でした。
感動。
それもそうだけど、つくづくKinkoはフツーの、いや、フツーまでもないかもしれない、そんくらいの才能しかないのだから、自力で埋めるしかないんだなあ。とも思うのでした。