東日本大震災からひと月半。
なんかねえ、どこを見ても被災者へお見舞いってコメントがあったのを見て偉いなあ、と思いながら、自分では何にもかけませんでした。
だって、何を書いても無責任な気がして。
その場にいないんだもの。
今も軽々しいことは書けないです。
馬鹿みたいに繰り返されるACのCMを見ながら、これって・・・
って違和感しか覚えなかったし、上を向いて歩こうのCMを見るたびに、まさに他人事な人が作ったことに満足している気がして嫌な気持ちになる。
ネガティブかしら、私。
そうねえ。ネガティブねえ。
ネガティブよネガティブ。
だって私も疲れたんだもの〜。
「ひとつになろう日本」ってスローガンがガンガン流れているけどさあ、そんなこと言わなくっても日本はつながってるよなあ、と実感していました。
だって夫が帰ってこないんだもの!!
地震の日はまたもや仕事のためにたまたま関東にいて地震に会い、後片付けだけしてどへどへになって帰ってきたと思ったら(そう。この人は阪神大震災の日も東京に住んでいたのに、その日だけ現地にいて被災したの)直後からずーっと会社に缶詰で東日本の混乱した物流やらなにやらかにやらの手配に追われて来たんです。
あんまり忙しすぎてやっと布団に横になってもうなされたりするような状態で。
たぶん報道はされていないけど色んなところでこんな人がいるんだと思う。
日本中に。
いやいや世界にも。
で、会社に泊まりこみや、会社近くのホテルで仮眠をとるだけだったり、家に帰っても変な時間だったりとぐちゃぐちゃな生活を続けていた夫がやーっと普通の時間に帰るようになった。
その間私は?
はたから見れば何もしてないのんきなのんきな主婦だった。
1週間ばかりNYのアートフェア出品のために現地に行っていたけれど、あとは主婦。
でもさ〜、これが結構大変だったわけ。
家事の分担をしてもらえないっていう負担増だけじゃなく、観念してペースに慣れるまで睡眠がぐちゃぐちゃで体調不良。
それでもお国の火急の事態に身を粉にしている夫の健康管理を全うせねば!と家を整え、栄養の工夫。
と、ここまでは大したことないんだが、何よりきつかったのは、安らげる環境を作る努力ってやつ。
「遅いじゃないの〜!」とか怒ったりするわけにはいかないものね。これが我が家にできる災害への貢献だと思えば。というわけで、どんなに疲れていてもトラブルを抱えていても愚痴らず笑顔を絶やさず。
内助の功に徹してきたの。
おかげで夫は倒れることなく、今ようやくちょっと気がゆるんで風邪をひいている。
やった。
でもさ、本当に内助の功な主婦をやるっていうのは口でいうより大変だよ。
主婦は日本中にゴロゴロいるけどさ〜。よき主婦は大変。もういい。
少なくとも私は続けられないわ〜こんな修行。
なんせ今は大殺界なの。普段より抱える問題が多いの!それを一人で抱えて乗り越えて笑っているなんて。
しかも余裕のない相手を支えるっつうのは一方通行のサービスなわけだから。
無理!もー無理!
本当にこの3月4月には振り返れば私にも色んな問題が起きたのだった。
いちいち覚えていないくらい。
というわけで、昨日はピザのLサイズをとって久々に二人でどか食いをしてねぎらったのでした。
二人とも疲れていて完食できなかったのは悔しい。でも経済には貢献したのさぁ。
でも。
家の周りには竜巻がまわっていたっけ。ぐるぐる。
見たわけじゃないけど、嵐の夜の風の音とは明らかに違う音だった。
食べている途中からすごい風で家のあっちこっちから普段は聞こえない怖い音がしまくった。
夕方「兵庫県に竜巻注意報」って出てたもの。ここじゃん?!
年末から続いているのよね。
ヨーロッパであまりの寒さに空港が閉鎖されたり死者が多量に出たりしていた頃、日本からは徳島で竜巻、のニュースが入って驚いたのだった。
それがこのところ連日竜巻注意報が出て、とうとう昨日は兵庫県に上陸。
まだまだ何かあるかもしれませんね。
とりあえず一回リラックス。
何かあっても修行の成果を生かせるように疲れをとろう。
・・・何を書いても不謹慎と言われそうだけど、日本全国の大変な思いをしているみなさんが、上手にリラックスして2次災害みたいに身体を壊すことがないことをお祈りします。

書道家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに現代に通じるアートの世界を展開中