今いる山の家に越して来たのは去年の暮れなので、秋を迎えてようやく四季のすべてを体験したことになる。
急な引越しだったので、入居に際してのリフォームなんてとんでもない。修理とクリーニングだけ間に合わせて、あとは気づいた所にちょっとずつ手を加えているところだ。

で。
ようやく。
畳替えまでやってきた。

自分の家だけでも、7軒目というのに、なんと初体験。

国産の畳表にこだわるという畳屋さんをみつけてお願いすることにした。
ちゃんとしたことは知らなかったけど、なんとなく夏の湿気はよくない気がして後回しにしていたのだが、やっぱり春秋がよいらしく、ちょうど9月にはセールが予定されていて随分いい表をお得な価格で使ってもらえた。
畳の縁も選ばせてもらって、なんか自分の家を管理している実感!みたいなのを感じて、すごく大人になった感じでくすぐったい。
何歳になったの?って色んなとこからいっぱいツッコまれそうだけどね。

とってもいいお天気のまま半日たち、真っ青な畳がやってきた。

この瞬間って初めて見た。

あっという間に敷き終わる。3枚目くらいから畳の香りがぷんぷんした。

緑から紺に替えた縁もすごく馴染んでる。成功。
やっとこの中古の家が自分たちの物になった感じがした。

畳の部屋は入って一番奥にあるんだけど、毎日玄関を入る度に畳のにおいがして、展示場に見学に来たみたいだねえ、なんて会話もはずむ。

別に無くても困らないなあ、なんて一軒前は和室なしの所にしたんだけど、やっぱりあるとないとじゃ全然違うんだなあ。なくなってみて初めてわかった。

見た目にも、こだわりの畳表だけあって、編み方がしっかりして気持ちいいんだけど、畳の魅力はやっぱりこの香りなのかな。何年かに一遍こうして新しい気分が味わえるのは和室ならではの楽しみ。いいもんだな、と思った。

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中