毎日掃除機をかけても
砂がコップ半分くらいたまる。

さすがに土足の世界だし、
100年ものの建物だから蓄積したものがあるんだ・・・仕方ない?

郷に入っては郷に従えというし・・・
いや、
やっぱり嫌!

一念発起して再びゼロからのつもりで
生活部分もアトリエもすっかり磨き上げ
板のすきまもコツコツ補修。
私の仕事はこれだったかな?と思うくらい
コツコツ埋める。
そして
仕上げにワックス。
すると
あんなに出て来た砂がなくなった・・・
床板の隙間から歩くたびに出てきていたらしい。

今は100年も土足で使われていたとは思えないほど
すがすがしい。
空気まで澄んだように感じる。
ピカピカの床をながめていたら
自然に
紙を広げたくなった。

さっそく3mの紙を2枚並べてみた。

もう並んだ紙を見ただけで気分があがる。

これまでは、床に直に道具を置きたくなくて
作業台で小さいものをコツコツ作っていたんだけれど。
違うなあ。
私がやりたかったのはこれなんだよ。やっぱり。
筋肉痛になりながらもピカピカにしてよかった。

体が自然に動いて一気に完成。

屋外で揮毫した時と同じくらい開放的な気分で書けた。

これこれ!
長年ほしかったもの=空間。

あああ、この広さが日常になったのだ。
シアワセ。

今までの創作人生、
気分よく書いているとお尻が壁にゴーン!
反動で跳ね返るくらいの勢いでガツンと来て
線も気分も台無し
なんてことの繰り返し。
書かなくちゃいけない紙が部屋より長かったこともある。
思い返せばけなげ過ぎて愛おしいくらい(涙)

もうなりふり構わず動けるぞ〜。

ということで、さらに部屋中に紙を広げて
ばっちゃばっちゃ思いっきり太い線を書きまくった!

快感!
あああああ
もっと書きたい。

しか〜し。
当然のことながら
新たなる問題=墨がなくなった・・・

ため息。

この快感もしばらくおあずけだ。

一歩一歩です。

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中

おはなしコンサート(童音社)復活してほしい。
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