同業者だったり俳優さんだったり
各分野のプロたちには脱帽しまくりの毎日ですが、
とうとういただけないプロたちの話・・・

先日会社員時代の後輩から問い合わせがありました。今度バルセロナに行くのでおすすめのレストランとかお土産とか見どころを教えてほしいというもの。
と同時に
初めてのスペインなので注意したほうがいいことも教えてください。治安とか
という質問もありました。

「アンダルシアに憧れて」みたいなアンダーグラウンドなイメージを持っている日本人はまだまだ多いのですが、現在のスペインは相当に平和です。
暴力的なイメージがない。
もちろん夜中に独り歩きして襲われるとかいう可能性がないわけではありませんが、それは世界中同じこと。
健全な時間に健全な行動をしている限りでは日本よりずっと平和な気分を楽しめます。

というわけで治安については「怖がらなくていいけどスリにだけは気を付けて」と返事をしました。

最近の日本ではわざわざテクニックを身につけなければいけないスリという稼業は、てっとり早くないということで、なり手が減少傾向という話を耳にしたことがありますが、ここスペインにはわんさかいる。現地の人も口をそろえて

スリにだけは気をつけなさい。

と言います。
観光客に限らず、そう言っているネイティブたち自身が「私も買い物の時にね」などとすられた経験談を聞かせてくれちゃう始末。

私もバルセロナの地下鉄でねらわれたことがありました。
けっこう空いていたのですが、私が奥に行けないように入り口をブロックして仕事をしやすくしようとしたのがわかったのです。
その時は特に地下鉄はスリのメッカだし、私も着いたばかりで警戒心のかたまりだったので、彼らの動きがおかしいと思って露骨にかばんの口を抑えて見せたところ去っていきました。

今でも警戒心がなくなったわけではありません。
しかし・・・とうとうやられました。

それはお昼過ぎのこと。
美容院が思いのほか早く終わって、いい天気だったので公園を周ってのんびりしてから家に向かいました。
見通しのよいまっすぐな道。小さいバッグでも斜め掛けばかりしていると重く感じるので、前後に人がいないのを確認して普通のショルダーバッグのように肩にかけて歩いていました。
本当に気持ちのいい日だったので上を向いて空をながめながら歩いていたら、
誰もいないはずなのに電車の中でぶつかるような感触をカバンに感じておや?っと思いました。
振り返るといつの間にか人が3人いる。
こんなに空いた道なのにずいぶん近くにいるな。
ちょうど追い抜かそうとした時ぶつかったのかな。
う〜ん。
でもなんか気になる。
う〜ん。
でもいきなりスリ扱いしたら気分が悪いだろうな。
う〜ん。
でもやっぱり確認はしなきゃ。
う〜ん。
でも実はまだねらっていただけだったのにカバンを開けたりしたら
ここぞとばかりに中身を取って逃げられるかもしれない。

などなど一瞬のうちにいろんな考えが浮かびました。
でもとにかく警戒しながら中身を確認しなければと結論。

するとなんとチャックが全開になっている。
美容院で支払いの後閉めたはず。公園でも開けてない。
う〜ん。もしかして閉め忘れた?開けた?う〜ん。はっきり覚えてない。
いやいや美容院のドアを出る前に閉めなきゃと思って出る前にもたもたしたよ。
うん。閉めた。
え?
本当に開けられたの?
30センチ以上あるチャックの上にチャック全体を覆う蓋があって、それをベルトで閉める構造のバッグ。スペインが決まった後にスリ対策も考えて開けにくい構造のを選んだそのカバンのチャックが道端で開けられた??
えええええ?
またまた色々な考えがよぎったけれども
とにかく財布とカードと身分証だ。

こんなに話をひっぱっておきながらなんではあるけれど、
財布もカードも身分証も全部ちゃんとありました。
財布の中も確認して現金も取られていないのを確認。

ただ、なんかバッグの中の空間が気になって仕方がありませんでした。

最近ぼんやりすることが多かったのでチャックを閉めたかどうか自分を信じ切れないながら、それでもやっぱり気持ち悪さはぬぐえないまま。

で、その2日後。
またまた晴天。バッグはおとといのまま何もいじってない。
それをそのまま持って出かけた先であまりに太陽がまぶしくて・・・
やっとわかりました。
サングラスがなかった。

家に帰って念のため探してみたけれど間違いない。

ショックだ・・・・・。

これなら現金とられた方がよかった・・・・・。

すごい気に入ってたのに。まだ新しいのに。ケースもおろしたてのに替えたばかりなのに。
ううううううう。

財布はチャックを全開しないと取れないよう必ず一番奥に入れるようにしていたから取られなかったんです。
手前に入れていたサングラスのケースは堅い箱型じゃなくてやわらかい革の袋になったタイプだから感触が薄めの長財布に似ていた。。。
それで満足して仕事を終わろうとしていたところだったのかまだ奥の財布をねらっていたのかはわかりません。

でも、あまりに大胆で巧妙で。。。
だって、いくら斜めがけをしていなかったといってもチャックのタブ?取っ手?は私の前側から後ろに開けないといけなかったんですよ!しかも蓋のベルトを開けた後にです。

かばんを閉めるのは当然のこと
私がベルトやカバンの蓋に手をかけていないことなんて本当に少ないんです。

いやあ油断できない。

「スリ=人ごみ」  じゃない!

しかも私がカバンを気にしてからも慌てるでもなく普通に追い越して自然に歩いていきました。この平然さ加減も含めてプロ。

基本的にはスペイン国内で起きるスリはスペイン人が犯人ではないと聞いたことがあります。
地下鉄でみかけた未遂のスリもそうでした。見た目からしてヨーロッパ人じゃなかった。
でも、今回のスリは町の人たちと同じ空気だった。
つくづく予想できません。

それからスペインの法律では200ユーロ以上とらないと罪にならないとかいう噂も聞きました。
少額だと警察も相手にしてくれないとか。
それで取った金額が多すぎると返すスリまでいるそうな。

スリが多すぎて相手しきれないのもあるでしょうし、甘いから温存されちゃってる土壌もあるのでしょうし、とにかく今後ますます気をつけねば。

・・・新紙幣発行でキャッシュ使おうよ!なんて書いた記事の次がこれとは・・・

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中