せっかくスペイン生活しているのにほとんどスペイン事情に触れていないのもなんなので時々発信していこうかなあと思い始めました・・・遅い!

いや。遅くないんですよ。

もはや人生の引っ越し回数がカウント不能な感じの私ですが、日本国内の引っ越しだって新しい土地に慣れるのには1年いるなあと都度感じていましたもの。

マドリッド生活はこの夏でまる3年を迎えます。
もちろん近所なら地図を持たなくても用事を済ますことはできるし、最近では道を聞かれることが増えてきました。旅人の空気が抜けてきたかな。

が、しかし。
最近になっていかに自分がこの街の一部しか知らなかったかを痛感。
まだまだスペインあるいはスペイン人を語るには経験不足なようです。

とはいえ、これでもネット情報よりはいろいろ見ているわけだから、ちょっとはこの国のイメージアップに貢献できたらうれしいかな。

思い立ったが吉日。さっそく本日は相当ディープな話から。

せっかくのヨーロッパ生活。
ついついミーハーな気持ちで100年超えのアンティークな建物に住み始めた私。
3m50僂發△訶薫罎筺¬宜い量擇両押中央玄関には見事なレリーフなど一見素敵だったんですが・・・
まあ故障の多いこと。
これはこの国の名誉のために言っておきますが、築30年を超える建物は10年ごとに行政からの安全チェックと指導が入るなど、偶然古いものが並んでいるわけではなく、景観や資源の保護のための法が整っています。
市民の側もみんながただ古い建物をありがたがっているわけではなく、アンティークな建物の雰囲気は楽しみつつ中はきれにリフォームしてジャグジーなんかも完備した最新設備で快適生活を送っている人たちもたーっくさん。
ですから我が家の故障の原因は一言。大家さんの手入れ不足です。
さすがにここまでは内覧だけでは予想できませんでした。
前にも電気が落ちてきたり冷蔵庫が壊れたりのドタバタには触れましたが、最近は水回り。
もう水道屋さんとはすっかり顔なじみです。

最近の工事はけっこう大がかりなものが続いたので、終わってからのお掃除が大変。
その辺は土足の国なので我々の感覚とは養生の感覚に大きなへだたりが。
私が壊したわけじゃないのにこの労働はまったく受け入れがたい。時給換算して請求したいくらいだ。次になんかあったら本気で請求書書いたろか。
大家さんへの文句はキリがないからやめて本題にもどろ。

大がかりな工事いうことは、時間も長くて、時間が長いということは自然に発生する問題。
トイレ。

今までは職人さんがトイレを使いたいと言うときは断って大家さんの家に行ってもらいましたが、今回大家さんは不在。
嫌だああ、と思いながらも仕方がないので我が家のトイレにご案内。

このお兄ちゃんさあ、作業着でベッドに腰掛けちゃったり、土足で入んないでねって言ってる部屋にうっかり入ってきちゃったり、悪い人じゃないんだけど気にしないタイプの人なのよねえ。

家族なら「汚さないでね」って言えますけどねえ。

「男性がトイレ汚しちゃう問題」はターゲットシールが大ヒットしたくらいだから理解してくださる方も多いと思います。
特にきれいな状態に慣れちゃってると、たった一人がミスっただけで後々何日も臭うんだよねえ。毎日掃除しても取り切れない。
予測不能なとこにまで飛び散ってんのよね。

最近の日本では、この問題は心ある男性には結構浸透していて、業者さんでもなるべくトイレを借りないとか、仕方なく借りる時はすごく気を使ってくれるとか、そんな流れにはなってきているので日本の家のほうは滅多に汚されることはなくなっているんですが・・・

ああ嫌だあ。このガサツな兄ちゃんがトイレ・・・憂鬱・・・。

しかし。
この心配は杞憂に終わりました。

使用中とても豪快な音が聞こえていたにもかかわらず、いなくなってから恐る恐るのぞいてみると、何事もなかったかのようにきれいな状態で。

兄ちゃん偉い!
おさえるとこおさえてんじゃん。
疑ってごめんね。

さらには帰り際。我が家は土禁なので靴で歩けるように廊下に敷いておいた紙の幅がちょっと狭かったので気になっていたのですが、道具をのせたコロコロがはみ出ないように気を使ってくれてました。
そもそもガサツって言ってごめんだね。

外から帰ってきたスーツケースをそのまま家の中や旅館の中でコロコロして歩ってる日本人よりよっぽど繊細です!!!

スペインおよびラテン諸国に対しては日本人にはあまりにもガサツなイメージが広がっていると思いますが、結構いろいろなところで「きれい好き」な面に触れることが多いスペイン。

カフェではテーブルを拭くのはもちろん椅子の上を拭いているのもよく見かけますし、閉店まぎわまでいた時は片付けと同時にランプの傘を全部拭き始めたのを見て驚きました。

この国を快適にしているのはこんな「きれい好き」に加えて「マナーにしばられない気配り」。廊下のコロコロみたいに自分で気づいて対応してくれる。ここにいたら私ももっとよい子になれるかな?

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中