2018年11月7日放送のたまむすび「おもしろい大人 月間ニッキ」のテーマは童謡でした。
いやあ「少年隊ニッキこと錦織一清」さん!
本日も共感ばかりの20分でした。

ジャニーズでやらないものはなんだ?=止まって歌う=合唱。

「だからやってみた」には笑いましたが、いいですよねえ。

ともすると「いまどき流行らない」とか「ダサい」とか「地味」とか蔑まれがちな合唱ですけど人間の声が美しく重なった時の感動っていうのは楽器では出せない世界があります。
大きなインターバルはありながらもダークダックス、サーカス、ゴスペラーズって感じで日本の歌謡界にはいつも声を重ねる魅力を聞かせてくれる人たちが少ないながらもしっかりいてくれました。
忘れちゃならないEVEさんも。

紅白以外の番組でも以前は結構合唱団がバックで出てきたりして、それこそ私も大学時代、合唱団にオファーがあったのでみんなでテレビCMに出たりしました。

最近はどうなんでしょう?
我々のところだけでなく交流していた他大学のも結構断絶しちゃった話を聞いて寂しい思いをすることが多かったんですが・・・。
ニッキが言う通り合唱コンクールとか今でもすごいがんばっている子供たちがいっぱいいるのはわかるのですけれどもメジャーではないですよね?

ダンスばかりがフィーチャーされるこの頃ですが、
AKBだってジャニーズジュニアだってみんなでごそっとおんなじ踊りしてユニゾンで歌ってないでさ、時には「合唱」してはいかがなんでしょうか。
そうすれば「ただ多いだけ」っていうつまらない評判を払拭できるのでは?
合唱の場合は人数が増えれば増えたなりの魅力がありますから。
多くないと出せない厚みっていうのが。

そして曲もね。
おんなじような曲ばっかり歌ってるくらいなら温故知新でいまさらの「童謡」だっておもしろいかもしれませんよね。

我々が大学で歌を歌っていた頃すでに、というか今以上に「古いものはダセー」っていう空気が強かった。だから
「合唱団で童謡を歌う」
なんていうのは時代と逆行もいいところでした。

でも、在学中のステージの中で一番反響が大きかったのは
2年生の春、四大学女声合唱団の合同ステージのアンコールで歌った
「夕やけ小やけ」

この年のゲスト指揮者、田中信昭先生の指導が厳しくも素晴らしかった。
アカペラの途中から加わる田中瑤子先生のピアノ伴奏が素晴らしくて音符が宙を舞って見えた。それに乗って私たちの気分もさらに盛り上がって会場に夕焼け色が広がる気がした。120人がひとつになった素晴らしい演奏だった。でも

「夕やけ小やけ」という童謡だったから

というのがやはり大きかった気がします。

そこにはみんなが持っている原風景があって歌う側にも聞く側にも情景が広がりやすいという素地はあります。
それもありますが、みんなが一番驚いたのは、今どきダサいはずの童謡に心揺さぶられたっていう事実だったかもしれません。お客さんも客席のほとんどは他大学の学生たちだったのですから。
卒業した後になっても「あれはよかった」って話題にしてくれるお客さんがいたくらい双方の記憶に残る演奏でした。

ニッキもその「古いものはダセー」の時代を生きていたのだけれど、
そんなことを意識するよりも幼い時にいいものに触れさせてもらえたからしっかりした感性の根っこが育ったのかな。
古いとか新しいとか、流行りとかそうでないよりも

いいものはいい。

って素直に思える根っこ。いいものを見抜くって言ったほうがいいのか。

この感覚があるから数々のプレイゾーンが生み出せたんですねえ。
売れっ子アイドルがやるから何やったってお客さんが来る
っていう図式じゃなくて
普遍性のあるミュージカルになった理由がわかりました。

童謡とは言っても、ニッキが本日紹介したラインナップは
グリーングリーン
5匹のこぶたとチャールストン
トムピリビ
町のちいさなくつ屋さん
なので、少年隊の「Magical 童謡Tour」に収録されているようないわゆる童謡=日本の野山や田畑の風景をバックに土の香りがする曲ではなくてハイカラな物語性のある曲ばかりです。確かにミュージカルみたい。ニッキ曰く「かっこいい童謡」
そりゃそうだ。
どれももとはアメリカとフランスの曲なんだもの。
案外私たちの子供の頃って輸入物が結構紹介されていたんですよねえ。
懐メロ番組には超日本的な曲が並び浪曲までもが登場する。
一方で名曲ならば国境なくどんどんこうして訳して歌われて。
無意識のうちにものすごく幅広いものに触れることができた。
恵まれていました。

でも、年頃になると「みんなのうた」だとか教科書に載っているような曲をいいなんて言ってはいけない空気になる。

ニッキ「男の子はまじめに歌っちゃいけないから。音楽の先生はからかわないと」

わかる・・・。
男子だけじゃないです。女子も白けたフリをしないといけなかった。
「グリーングリーン」は中学の教科書で最初に習った曲で
ああ、さわやかでいい曲だなあ。
と感動した。だけどとても口に出せなかった。
家に帰ってこっそり練習したなあ。アルトリコーダー。

ニッキも秘めていたんだなあ。本当に好きなもの。

書けるのに書けちゃいけないト音記号・・・だけじゃなくて。

ラジオクラウドでは曲の部分はカットされているので聞きたいときは自分で補わないといけないんですが「グリーングリーン」と「五匹のこぶたとチャールストン」はもともと大好きだからさっきから頭の中でぐるぐる鳴りっぱなし。
本当に忍者から2人借りて5人少年隊で踊るのが見たかったわ♡
今からでもできないかしら?
「五匹のこぶたとチャールストン」
King& Joker のグロッキーさんなら本当に軽やかに素敵に踊ってくれると思うなあ、チャールストン。

「トムピリビ」と「町のちいさなくつ屋さん」は知らなかったので探して聞いてみました。
なんだかこういう曲を聴いているちっちゃなニッキを想像するとかわいいです。
どちらも情景を想像しながら楽しめる曲。
どんな絵を描きながら聞いていたんだろうなあ。
これもやっぱりグロッキーさんに軽やかなステップを踏んでほしい。

ニッキは少年隊で「Magical 童謡Tour」にこういう曲を入れたかったそうなんですが、実際は「夕やけ小やけ」「小さい秋みつけた」といった日本のものが主に採用されています。
バブル期にスーパーアイドルがこの選曲。
すごい挑戦していたんだなあ、と思う。
そして運よく何曲かは踊っている映像も見ることができ、さらにびっくり。

それこそ「村祭り」なんてどうすんの?と思った。

それがカーニバル風の衣装で出てきてさらに「大丈夫?」と思った。

それがなんともいいアレンジになっていて「いいびっくり」をしました。
あの時代にすでにこんなに進歩的なことやっていたんだ〜〜〜。
もっと早く見たかった。
そしたらもっと早くからいろんなものに対してもっと柔軟にもっと大胆になれた気がする。
こういう企画をしたジャニーさんとやりこなした少年隊にびっくり!

でも時代が少し早すぎたかもよ?

こんなのこそ再放送にならないのかなあ。
いっそジャニーズが自分とこのタレントが出ている番組をアーカイブ放送すればいいのにねえ。
それが可能だったら「Magical 童謡Tour」の幻のプロモーションビデオも是非見てみたいものだ。
ニッキがかぶり物とかいろいろふざけすぎてイメージあわなくてお蔵入りになったそうです。

童謡も好きでしたが私の原点は「おはなしコンサート」。復刊したら錦織一清様にもお見せしたい。
今日の選曲から想像するに絶対好きだと思う。
復刊しないかなあ。投票受付中です。https://www.fukkan.com/fk/VoteDetail?no=3740

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中