気がつけば12月。
今年を振り返ると本をよく読んだ年でした。
その中でとてもよかった本のひとつが

「博士の愛した数式」

です。本屋さんがおすすめする本の1位になって、かなり話題になりました。

3時間しか記憶がもたないおじいちゃん数学者と家政婦さん親子の話で、おだやかで、でも、読み終わったあと余韻がほんわか残る素敵な本です。こういう感動は初めてかも。

そして、こんなに数学を愛している人に教わったら、数学嫌いなんかいなくなるんじゃないか。いや、この本を読んだだけでも変わるよね、っていうシーンも満載です。

爆笑問題が毎週、作家を招いてインタビューする番組がありますが、それに、この本の作者の小川洋子さんが出ていました。その時テレビの前で大きくうなずいてしまった言葉が

「自分のためではなく、他人のために涙が流せるのが大人だと思う」

この人だからこその魅力が産んだ本なんだなあと思いました。

単行本の表紙がとてもあっていて、読後しばらくは飾って見る度に本の世界に戻らせてもらいました。おすすめの一冊です。あ、この家政婦はのぞきません。念のため。

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中