いよいよスイスからスウェーデン人写真家モニカさんがKaneko Hotelにやってきました。

アートフェア東京に始まり、日光、鎌倉、京都、奈良と一ヶ月ほど旅してから京都にて合流。
和紙漉き体験などを楽しんでから神戸の我が家へ案内しました。

一緒に過ごしていて感じたのは、やはり「住」と「食」にかける比重の感覚の違いでした。
日本人は普段から家のローンの支払いが収入の多くを占め、優先的に払った後、残ったお金を細々と使う感じがあって、お金に困るとまず食費から切り詰める、みたいな話がよくあります。

でも、彼女はホテル選びの時に随分費用を気にしているにもかかわらず、食事の話になるとリッチなんです。
その他いろんなところでの支払いも。
お賽銭箱にも見かけるたび思いっきりお金入れちゃうし。
せっかく遠く日本に来てるから、というだけではないようでした。

本当に、こんな人がよく日本のビジネスホテルで満足してるよな〜、という感じ。
バスルームに全部おさまってるくらいな感覚でしょうに。

ただ、彼女の中には一つ大きな誤解もあったようで・・・

日本に来るにあたり、日本に関する本を6冊もたずさえてきたくらい勉強熱心な彼女ですが、日本の住環境を本当にウサギ小屋そのものくらいな「ちっさい」とこにキュウキュウ暮らしているかわいそうな日本人を想像していたらしいのです。
実際日本のビジネスホテルに泊まったら確かに「ああなるほど」って思っちゃうのもわかるのですけどね。

いよいよKaneko Hotelに到着。

めちゃめちゃ感動してくれました。
まるで我が家がすごい豪邸であるかのように・・・。

ま、ひとつは私が謙遜も込めて、外国人には小さく感じるだろう予測も込めて
ずーっとうちは小さい小さいと言っていたこともあり、
がっかりを防げたのはあるんですけども、
もともと彼女自身、私が「うちへどうぞ」とメッセージを送った時にまず感じたことは

「日本人の家は小さいらしいが、
他人の泊まるスペースなんてあるんだろうか」

と文字通り自分の横になれるほどの空きなんてないんだろうに申し訳ない
という心配だったのだそうで
遠慮だけじゃなく半信半疑だったらしいのです。
それでも是非にと言うので

「これもめずらしい体験の機会かも」

と気持ちが変わったのだそうです。

それなのに着いたら自分用の部屋が用意されているではないか!!!
ということでめちゃめちゃギャップを感じて大感激してくれた、というわけでした。

なんにせよ、喜んでもらえたのは私もうれしい。
また一人日本ファンが増えました。
朝食もいわゆるフツーの朝ごはん。肉じゃがが好評でした。

もともとは奈良を案内する予定だったのが、奈良は1300年イベントが始まってしまって大混雑が予想されたので、急遽高野山へ行くことになりました。
高野山もものすごく気に入って、なんだか作品集がひとつできちゃいそうなくらいです。
彼女なりの目線からの高野山はとても楽しみ。
私も大好きなところだけに本当に楽しみです。
彼女はまた東京のビジネスホテルに帰っていきましたが、国に帰ればおっきな家が待ってるんだろうなあ。
おじいさんが城を持っていたとか、お母さんが教会を遺したとか耳をうたがうような話ばっかしてたもの。
それでもKaneko Hotelはいい思い出になって本当によかったです。

書道家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに現代に通じるアートの世界を展開中