(つづき)

なつかしい感じと言えばこれも。

1 子供たち

子供たちです。

これはポルトガルに限ったことではなく、スペインでも感じることですが、子供がとっても子供らしい。
いい意味で無邪気。
日本で無邪気っていうと、なんだか空気読まずに好き勝手、みたいな感じになってきちゃってるけど、
本当の無邪気がここにはあるな、と。
ま、日本とアメリカ以外ならどこにでもあんのかもしれないけど。

やっぱり子供たちはゲーム機持ってるより、
こうしておもちゃの剣と盾を持ってる方が健全だよお。
どっちも戦闘ものだとしてもさ。

(これも誤解のないよう補足しておくと、もちろんスペインでもポルトガルでも、ゲームがないわけでも買えないわけでもありません。)

私がいた時ちょうどBRAGA ROMANAというお祭りの最中だったので、
男の子たちは剣のおもちゃとかを買ってもらって
女の子たちは老いも若きも花の冠をつけていて、
ローマの衣装をつけて歩いている人も結構いて盛り上がっていました。

すごくかわいい花飾りなんかをしている子がいると
思わず
かわいい!って言ってあげちゃうんだけど、
そんな時には
さらにかわいい顔の微笑み返しが。
ここには「はにかみ」はあっても「恐怖の表情」はない。

お子さんの写真撮ってもいいですか。

というと、親御さんたちも
「どうぞ、どうぞ」
と喜んでくれる。

こんな自然なやり取りが、特別に感じてしまう我々を悲しく思います。
知らない人に声をかけられると
身を固くする子供ばかりの日本は悲しい。

ちょっと前まではこんなじゃなかったのに。

一番上の写真の特別は、ゲーム機がないだけじゃないのです、実は。
子供だけで遊んでいる。

近くに親がいなかったっていうこと。

私が子供の頃には当たり前だった光景。

日本のどこが安全で平和だっていうんだろう。

気づいている人もたくさんいるはずと思いたいけれど、
病んだ日本をきれいなところへ大きく舵を切って流れを変える力はあらわれるんだろうか。

日本から遠く離れて日本の闇から解放されているのに、
幸せな光景を目のあたりにしてはそんなことを思うのは悲しいけど、
ま、これも愛国心です。
ノスタルジーで終わるのは残念すぎると思うから。

1 子供
やっぱり子供はこういうのがいいなあ。

(つづく)

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中

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