世界は狭くなったはずなのに、荷物のやりとりは大変です。

春以降、運び屋の夫の出張が次々キャンセルになったため仕方なく夏服を送ってくれたのですがまだ受け取っていません。

6月26日に発送して28日にはマドリッドに到着していたというのに・・・

本来
A)45€以下の荷物は無税で受け取れます。
B)150€までは関税なしでIVA(消費税みたいなの)だけ取られます。
C)それ以上は査定?の上関税「も」とられます。

というのが建前で、150€までなら止められることなく発送から1週間もすれば手元に届くはず。

昨年末に冬服を送ってもらった時は
それこそ発送から一週間で荷物が届き、
20ユーロ弱のよくわからないお金を取られて完了しました。

明細には
なんちゃらかんちゃらの手数料と送料という内訳があって
公表されている税金の規定には書かれていないお金です。
しかも国際郵便のEMSで送っていて日本ですでに送料を払っているというのに税関から家までの送料をあらためてとられるというわけわかんない仕組み。

ただ、べらぼうな金額ではなかったし、配送のお兄さんに文句を言っても何もできないと思ったのでとりあえず支払って受け取り、遅ればせながら冬のコートに袖を通したのでした。

さて、今回も同じ程度の荷物なので、
せいぜいその20ユーロくらいのなんちゃらはとられるかもしれないけど
「新しい服を買い足すよりかは安いし」
なんて気楽にかまえていたのでしたが・・・

発送から1週間後ポストに封筒が入っており、
これこれこういう手続きをせよとの文書が入っていました。

方法は3つ。

1つは郵便局のサイトから手続き
2つめは税関にこの書類を記入の上返送
3つめはいまいちよくわからないけど、どうやら手続き請負業者に頼むような感じ(明記されていないけど手数料は別途らしい)

で、まずは一番簡単そうな1番で、ホームページでやり始めました。が、すぐに発覚したのは私のビザだと手続き不能ということ。
大家さんに相談して大家さんが「輸入業者」で私に発送する。という体裁で手続きをすすめることになりました。
でもこれねえ。私のだけじゃなくて大家さんのIDカードのコピーまで送らないといけないんです。
しかも、発送の際にきちんと送り状をつけているにもかかわらず、大家さんも私もそれぞれ別々にinvoiceを発行して中身の説明をしなくてはいけない。
加えて荷物を引き取る私に関しては、この住所にちゃんと住んでいる実態を証明する書類まで添付。めちゃくちゃ面倒です。

書類提出をクリアして待つこと1週間。
やっと来たのは
「金払え」
の通知。
冬服の時と同程度の荷物なのに今回は手数料だけではなくて課税されるらしい。

申告した中身の総額(33ユーロ)プラス送料(77ユーロ)の総額に対して20パーセント弱くらいのIVAがかかって、そこにまた前回同様の手数料とかなんとかで、合計75€。
中身はほぼ古着で、新しくお金を払って買った品物はお茶(約1000円)くらいのもんなのになんだかな〜。
ただ、
送料に関しては実際はEMSで16000円かかっているので、77€と書かれているのがよくわかりません。でもこれはあっちが勝手にしたことだから置いといて。

とにかく「1週間以内に入金がなければ国に返送」との脅し文句が書かれているので
すぐに入金して、さらには「ちゃんと払ったよ」と領収書を送って再び待つ。
すると、今度は
「薬品の検査をします。しばらく待ちなさい。」
との連絡。
まじ〜〜〜??? 開けんの〜???

で、さらに1週間待って今日、ようやく発送しましたの連絡が来ました。
マドリッドに着いてからすでに3週間経過・・・。

いつ受け取れるかな。
この様子だと追加料金は発生しないみたいだけど・・・
(注:先日請求された金額はあくまでもこちらの自己申告額を信じての手続きなので、実際に中身を調査した後に変更があれば返金ないし追徴ないしがあるっていうシステムなんです。とりっぱぐれないためにとりあえず最初にお金取ってから手続き始める、みたいな)

去年バルセロナに着いた時の最初のトラブルも「荷物が税関で止まる」だったけど、
この手続きをアーティストインレジデンスのディレクターが全部してくれていたわけだ。
今更感謝。

でも、あの時は古着じゃなかったので、中身の購入時の領収書っていうのを提出して、日本語で書いてあるからダメだのなんなの文句がついたらしいながらも翻訳を添付するっていうことに落ち着いて、なんていう違うやりとりがあったっけなあ。
その時の中身は新品の紙。
販売用じゃなくてアーティストが使用するためのものだ。と説明をつけたとはいえ、
新品、しかも今回より金額がはっていたのに
結局は無税だっただけではなくて、そのなんちゃら手数料すら発生せず。

わからん。

なんにせよ、送るっていう作業は極力避けないと。

これってスペインだけの話じゃないし。

う〜ん。頭が痛い。

ま、今回の荷物は受け取るだけになったから一つ肩の荷は下りた。
仕組みもようやくわかったし。

やれやれです。

追記:
翌日受け取れました・・・。
でも初めて開封の跡が!
ナイフでグサッと段ボールを開けたようで
ヒエ〜〜〜!って感じ。
はじっこに破れちゃうものがなくてよかった(汗)
中をごちゃごちゃにされることはなかったので
それだけはよかったけれど・・・

さらに追記:
バルセロナで2016年に紙を受け取った時のその後が発生。
それも4年近くたってから。
宛先(=受取人)だったレジデンスに追徴課税の案内が着たそうです。受け取り時と同じく内容の金額を証明する書類を送らされました。完全に役人側のミスなのでお叱りはなかったようですが、中身に加えて送料がけっこうしたので数万円の税金になったとか。レジデンスの活動費として支払ってもらえたので私に被害はありませんでしたが、スペインでは6年くらいは税金の調整の可能性があるらしく、領収書は保管しておかないといけないのだそうです。
こわいわ〜〜〜。

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中

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