なーい!が続いたので3部作のタイトルにしてみました。。。
なんてタイトルだけではなくて前記事と関係がある話です。続きっていうか。

日韓ワールドカップの頃だから15年以上たちましたが、当時私の教室にドイツから日本とドイツのハーフの高校生が来ていました。

彼はその後アメリカの有名大学に進学して東大の大学院に戻ってきて、アメリカの有名大学の講師になって昨年30代にして教授になりました。

何が言いたいかというと、ハーフな上秀才。つまり日本語ペラペラということです。

日本にいる外国人というのはマスコミの好物で、
教室に来ていた時、芦屋ケーブルテレビは何度も彼を取材していました。そんなわけで教室にも何度もカメラが入りました。なつかしい。

彼が大学院在学中に東京で書道展があったので来てくれたことがあります。

その時の話が印象的というか残念というか・・・。

ちょうど会った直前にNHKの番組収録があったのだそうです。

それは日本に来ている外国の若者を集めての討論番組。

日本の視聴者が対象で、討論の参加者は全員日本語が流暢に話せる人たちです。

テーマは「国際化」。

ここまでは何の問題もないし、むしろ見てみたい気もしました。

し・か・し。

彼は悩んでいたのです。

さんざんみんなが討論した後に、いよいよまとめに入る流れになりました。

「では、日本がもっと国際的な国になるために必要なものは何だと思いますか?」

これが最後に外国人の若者たちに投げかけられる言葉。
そして、そこまでの討論はフリートークなのだけれども
最後の質問と答えには台本がある。そう。答えが決まっているんです。

あの会社ねえ。そうなんですよ。

私の教室が取材されたときにも思い知らされましたが、いろいろ質問してくるけど、答えは想定されているんです。想定外のことを言うと訂正、カット、誘導がある。
私の場合はかなり戦ったので一部不満は残りますが捻じ曲げられずにすみました。取材に来た日が「インクの魔法」の発売日だったにも関わらず、教室にあった本やポスターが見事に避けられた映像になっていますけど(怒)。宣伝しろとは言わないけど本が映ることすら許さないって何なんだろう。だって現場を見た人から見たらすごく不自然な撮り方なんですよ。そこまでする?番組によっては小説や漫画のほぼ宣伝みたいなことやってんのに!!!
失礼しました。話題がそれすぎました。
こちらの放送はYouTube にあげてありますので気になる方は御覧ください。さきほども書いた通り取材の際に相当戦ったので何も知らない方が見れば結構いい作品になっております。おかげで何度も再放送されました。

さて問題は
「では、日本がもっと国際的な国になるために必要なものは何だと思いますか?」
の答えです。

何度も言いますが、この日討論に参加しているのは、日本に興味があって日本に滞在している流暢に日本語を話す外国人ですよ。
日本に興味を持って敬意を持ってがんばって日本語を身に着けた人たちです。

それなのに
「やっぱり英語を話せるようになることじゃないですか」

と言えといわれたというのです。

当然誰もそんなこと思っていません。
全員が「私は言いたくない」と言い出し、あんたやってよ、と押し付けあっているうちに、私の生徒が押し切られそうになって、そこでその日の収録が終わったのだそうです。

「先生。僕言いたくないです。」

と沈痛な顔で言われました。

結局次の収録日に彼がそのセリフを言うことだけはなかったようですが、どんな放送になったのかは知りません。

でも、これってあの会社だけの問題じゃないですよね、きっと。
何かに気づいて「怖い」と思ってくれる人が一人でも増えますように・・・

暗い部分を書きましたがあの会社の番組は相当見ているし受信料も何度引っ越しても払わなかったことはありません!!!いい番組がたくさんあることも踏まえた上で、というか、問題を踏まえた上で今後も機会あれば視聴させていただきます。だからこそ答えありきは変わるといいなと。

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中