19 ひとりごと

私、話すのが下手になってる!

ある時気がつきました。
もともと話したくて仕方がないとき、話したいスピードに口がついていけなくてかんでしまうことがよくあったのですが、最近急いでいなくても言い間違うことが増えているということに気がついたのです。

なぜかなと思って考えてみると、ほとんどの時間を一人で過ごしているために、声を出して話す時間がものすごく少ないということに気がつきました。

話す機能が退化した気がするのです。

声を出すことは減っていても私はひとり言は多いようです。
矛盾するようですが、頭の中で会話していることがよくあるのです。
これも変かな?
一人なのに会話なんて。

営業や教師の仕事をしていたときに、事前準備としてやり取りを想定して色々な場面ごとに返答を用意するという訓練をしたので、その名残かもしれません。

一方的な言葉か対話かは別として、頭の中で語りかけているというのは私の一日の中で実際とても多いのです。
一人暮らしをするとひとり言が増えるとはよく聞く話ですが、人はやはり話したいものなのでしょうか。
ブログやtwitterが流行ったりするのはそんな人が増えているということかもしれませんね。

先日ある方から「金子先生は書道の他に時間を忘れてやってしまうようなことは何ですか」と聞かれました。
その場ではとっさに浮かびませんでした。
最近何をやっているときも雑念だらけで集中していないなあ、と。

でも、ある日ブログを書いていたら、ちょっと手をつけたはずがものすごく時間がたっていて
これだ!と思いました。

こうして「心の相談室」の原稿を書いているときもそうなのです。
「インクの魔法」を書き始めた時も夜があっというまに過ぎていきました。
どれも私にとっては長い長いひとり言なんです、きっと。
私は一人でいることはとても好きなのです。
でも人間は発したいのですね言葉を。
この本で一番癒されているのは私自身のような気がします。

別にひとり言を増やすことをおすすめしているわけではありません。ひとり言というよりも、つきつめれば発することなのかな、と思います。

言葉はダイレクトに自分を表しますが、他の形でも何かを発するということが心にいいように思うのです。
私の経験でいうなら書の作品がそうですし、歌を歌うことがそうでした。
言葉が生まれる前から芸術が存在するというのはそういうことかもしれませんね。
自分を表現したい生き物なのです、人間は。

話さなくなって口が退化したと感じてからときどき本を朗読するようにしました。
シェークスピアを読んだり詩を読んだり。
子供の頃音読が好きだったなあ、なんて思いながら一人で。
この話をするとだいたい変人扱いされるのであまり公表していませんでしたが、音読はとても体にいいらしいのですよ。
先日読んだ本に書いてあって自信をつけました。
それでここに公開です。
こんな簡単なストレス発散方法はないですよね。
文章は何でもいいと思いますが、名文なら内容もさることながらそのリズムごと自分を豊かにしてくれます。ひとり暮しでなくても挑戦してみてください。

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【Kinkoちゃん随筆】 書家・美術家 金子祥代 https://www.kinkochan.com/
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