ずいぶんスペイン語の記事も増えてきました。
時々、英語などにもいい及ぶことがありますが、それも含めて

なんなの?この人。
まだスペイン語たいしたことなさそうなのに信じていいの?

という気持ちになる方も多いかなと思います。

そこで今日は私と語学についてご紹介します。転機になった話から。

一年で落ちこぼれを大学合格させる伝説の教師!

この伝説の教師。実はこれ、私です。

ドラゴン桜か?あんたは桜木先生か?

いえいえ、暴走族やってません。
東大にも入れてません。

ただ、1年あれば本当に、中1の最初の最初のレベルから大学入試に耐えうるレベルにまで力をつける奇跡を何人も目の当たりにしたことは確かです。

その体験はきっと語学を勉強している方の希望になるだろうと思います。

くわしい話は後日にまわしますが、
そもそも私が「英語の落ちこぼれ」を体験したことがすべての始まりでした。

一旦は会社に就職したものの、忙しすぎて「未来の準備」ができないと思ったので退社しました。
それでも「未来の準備」のためにお金は要る。
そこで日本語教師になることにしました。

なぜ日本語教師か。
それは英語に自信がなかったからです・・・・・・。

完全にネガティブな動機。

就職には日本語教育検定試験合格と大学副専攻レベルの受講というのが必須だったので、専門学校に半年通い、その間に試験を受け、卒業と同時に運よく業界でもトップの2校に採用されました。

一つは欧米系のビジネスマンに英語で教えるマンツーマン授業。

もう一つはアジア系の学生に半日みっちり教えるクラス授業。

この学校が大学進学をめざす学生のための専門学校のようなところで、二十歳前後の若者が熱心に勉強するところでした。

例年ちゃんと大学に入れるいい学校だったのですが、一つ課題を抱えていました。それはこの日本語学校特有のものではないのですが、合格率と大学のランクを上げるには解決すべき課題でした。

それは英語。

日本語学校なのに英語。

というのは、シンガポールなどから来るごく一部の学生を除き、中国、韓国、台湾の学生たちは壊滅的に英語ができなかったのです。
日本と違って、彼らの国では英語が「そこそこ」できる人がいません。
得意なら徹底的に伸ばす。
苦手なら、苦手科目に時間をかけるのはもったいないので結果の出せることに時間を使う。
そういう指導なのだそうです。

英語が苦手でも大学に入りたい学生の逃げ道。それが日本でした。

しかし。

逃げてきたはずが、日本の大学入試では英語が重視されます。

必死に日本語を学んだにもかかわらず英語で落とされる。

そんな学生があとを絶たなかったのです。

そこで希望者に英語の授業を提供することになりました。
自宅で英語の塾を経営しているA先生が一人で担当して、そこそこできる学生相手に指導されていましたが、本格的に充実させる企画が持ち上がり、もう一人の指導者として私に白羽の矢が立てられました。

「ちょうど津田塾出身の新しい先生が入ったわよ!」

そんな鶴の一声で私が担当することに。

ええええええ?
英語を避けて日本語学校に入ったのに英語おおおおお?
と、アジアの学生たちと同じ悲鳴を上げました。

でも「未来の準備」のためにお金が要る私。
仕方がないので引き受けることにしました。

しかし、学校はA先生は従来通り「そこそこできる」学生担当。
新米の私に下のクラスを担当しろといいます。
そっちの方がハードル高いでしょうよっ!!!

どこから手をつけていいかわかりませんでした。

だって。

尋常じゃなくできないんですもの!彼らの英語。
ホンっとにゼロ。そこから大学入試?

教務室で「どうしたらいいんですか?」と聞いても、「英語のことはわからないわよ」とだれも相手にしてくれません。
人事担当の先生は「A先生に聞いてみて」の一言。

会ったこともない大先輩のA先生に何度も電話してみたけれど
「わかりません私。普通にやってるだけです」
のらりくらりとかわされて何も教えてもらえません。
ああ怖い。女の世界。
今まで一人で担当してきたのに、ぽっと出の若い女に自分のお株を奪われると思ったようなのです。
かたくなでした。

英語教師になった大学の友人たちに電話をかけて相談しましたが、
ゼロから1年で大学?
いつもそこで止まってしまいます。

その中でも「自分が苦手を克服したのはこれだった」という本を紹介してくれた人がいて、藁にもすがる思いで使い始めましたが、その本は急いで結果を出す本ではなく、生徒たちもそれに気づいて日に日に参加が減ってしまいました。

そしてだれもいなくなった・・・。
人生でなかなかないレベルの屈辱でした。

それでも次の年「もう一度やってごらんなさい」との指示。

え?チャンスもらえるの?よーし!やってやる!!!

もう誰もあてにできません。

ネットもまだありません。

そこで本屋さんに通いました。

ある日、とある本屋さんの店頭にNHKのラジオ講座、テレビ講座のテキストが山積みになっていて、基礎英語と高校英語のテキストが目にとまりました。

それを見てひらめいた私。

NHKのテキストって薄いよね。でも基本項目って全部網羅してるよね。

ん?

ってことは中学、高校でやらなきゃならないことって骨組みだけにしちゃえば案外少ないわけ?

やれる気がしました。

そこでNHKのテキストと中学、高校のなるべくやさしい問題集を買って、まずは自分がゼロから徹底的におさらいしてみました。

するとどうでしょう。

文法とは、こんなに便利な公式だったのか!

目からウロコが落ちました。

大学入試の英語は読解力と作文力でくぐり抜けた私。
つまりは国語力と推理力、想像力。
英語の力でないのはわかっていたけど、
単語が覚えられないとか、構文が覚えられないとか、
私の英語が伸び悩んだのは記憶できない頭のせいだと思っていました。

文法はだいたいわかるけど、文法の問題っていやらしい例外ばっかりつついてくるわよね。
まじめにやってもしょうがないじゃん。

そうやって逃げていました。

ずっと文法が「だいたい」わかるだけで「そこそこ」の英語から抜け出せないでいたのです。

それが、さんざん高校、大学で自分のレベルを超えた難しい英語にさらされた後、こうして基礎の基礎にもどってみたら、そこには理にかなった数学の公式のような骨組みがあったのです。

わからない単語に悩まされることなくシンプルに構造と向き合えました。

自分に苦手な穴がない完璧な状態になったところで、1年のカリキュラムを立てました。
苦手があった分、苦手な生徒がどこでつまづくかも手に取るようにわかります。
中学1年生の最初の最初のレベルから、高校英語まで、全部を網羅したシンプルな計画。
時間がない生徒たちなので読解はなし。
入試まで1年しかないし、ほとんどの学生はバイトまでしていました。
日本語は週に20時間授業を2年間。
でもこちらは週に1回2時間の授業です。
徹底的に文法中心のシンプルな授業をすることにしました。

すると、初年度の失敗がうそのようにうまくいったではありませんか。

実力がつくだけでなく、クラス全体が楽しそうに。

英語から逃げてきた子たちとは思えないいい空気でした。

もちろん有名大学合格の結果も。

翌年のクラスはさらに成績の上がり方が急ピッチになりました。

その後、このメソッド?で日本の高校生も含め何人も救うことになりました。

この経験で記憶に残っているのは、私の指導にくらいついてきた生徒のがんばりです。

文法も含め、語彙などの定着は授業中にはできないので宿題でカバーしました。
ポイントはしぼりにしぼりましたが
それでもけっこうハードな量だったと思います。

次の授業で確認しながら

「高校時代の私にやれって言ってもできなかったな」

と毎回、心の中で感動していました。

やみくもに時間をかけてもダメだけど
やることがわかって、そこにきっちり努力を注げば結果は出る。
それを実感できたことはその後の人生の宝です。

この体験をできたのは、とりもなおさず英語から逃げたことがきっかけだったわけですが、この指導の準備と指導経験のおかげで自分の英語も伸びました。

後にECCの英語講師としてTOEICを教えることがありましたが、その時も生徒よりだれより実は私の成績が一番上がりました。
これも実力以上の課題にアップアップするより基礎固め、という実例です。

がんばったのは生徒です。
指導者として手伝えたとすれば生徒が頑張れるよう道筋をシンプルに見せてあげたことでしょうか。
この道をまっすぐ行けば着くんだよ。
信じて進みなさい。って。

独学でスペイン語勉強中。
今、私は指導者なしでスペイン語を勉強しています。
10代の脳ではないけれど、苦しい時には生徒たちの起こした奇跡を思い出しながら、がんばっています。

今の私に超シンプルな近道を教えてくれる指導者はいないので自分で手探りしていますが、英語の経験をふまえて

1)まずは基礎文法を一通り
2)慣れるための足踏み(8歳程度の本の多読)
3)文法の定着
4)ここで飛躍が待っている!

という図を描いています。

どんなものでも身につけるには階段を一つ一つコツコツと。
そんな風に言われることが多いですが、語学でもなんでも初級の階段はラク〜な広〜い段を楽しく歩いていればいいのに、中級で突然険しくなる。
1段目からあまりにも高くてあきらめる。
そんな経験をした人は私だけではないのではないでしょうか。

たまにその1段をポンと上がれる人がいます。
そういう人しか先に進めないと思っていました。

でも、初級と中級の間のはしごをみつければ天才じゃなくてものぼることができる!しかもそのはしごこそが結構長い。
そうわかっていれば、今の足踏みも無駄じゃないって思えます。

はしごというより、その一段を飛び上がるための助走といってもいいかな。

今の私のスペイン語はここにいるんだな、と思いながら今日も本を読みます。
次の100冊が勝負の分かれ道、そんな予感がしています。

この先、飛躍を遂げるには絶対に作文が近道なのですが、その話はまた別の機会に・・・・・。

注)小学校で英語が始まっていない時代の話なのでゼロ地点は中1という設定で書いてあります
独学でスペイン語:多読18 100冊達成!!!100万語

【Kinkoちゃん随筆】 書家・美術家 金子祥代 https://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中
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