(つづき)

そしてなんといっても食べ物です。

ホテルで「ここの名物を食べたいなら、ここに行きなさい。」と勧められたレストランに行ってみました。「この近くの島でとれるバカラオという魚を使った料理がおすすめ」というので言われるままに注文。出てきたのがこれ。
1 南蛮漬け
一見素敵な西洋料理だが・・・

なんのことはない、南蛮漬けじゃん!!!
ここにきて日本料理に会うなんて!?
そうよね〜。南蛮って南蛮だもんね〜。
とは言いながら、南蛮=西洋って思っててどこだかイメージがなかったなあ。

そりゃあ、長崎は出島に出入りしていたのがオランダとポルトガル。
っていうのは歴史オンチの私でも知っていたけれどぉ〜。
蘭学っていう言葉があっても葡学ってないし。
医術とかだけじゃなくカステラも何もかもオランダから教わったイメージがあってポルトガルは宣教師の絵しか浮かばなかったわ〜。
たしかに宣教師っぽい顔の男性にいっぱいすれ違いましたが。

そっかー。
ポルトガルに教わったんだー。
そっかそっかー。
パンをブレッドじゃなくてパンっていうのもポルトガルから来たからだし。
天ぷらもカステラもポルトガルからなのね〜〜。
かるたも金平糖もポルトガルかあ。

なんだか歴史の教科書に急に色が付いた感じです。

写真のバカラオ料理は、南蛮漬けに近いのではなくて、まんま日本の南蛮漬けの味。
魚が小鯵じゃなくてバカラオの切り身ってだけで、我々がよく知っている三杯酢の味そのものです。
まあ、油はオリーブオイルだけどそんなに油が主張していなくてやさしかった。
バカラオバカラオってすんごいめずらしい魚みたいに勧められたから
そうなのかと思い込んじゃったけど、なんのことはない「タラ」のことなので、これまたすんなり食べやすい。
ホテルの人やレストランの人には
「まあ!初めて食べました。おいしいですね!」
という期待されたコメントができず、失望させてしまったけれど、
私の中では違った意味での感動が湧き上がっていたのでした。

この南蛮漬けに限らず、他のレストランも3軒ほど行って豚や鳥、それから炊き込みご飯も食べてみたけれど、
どれも塩梅がちょうどいい。

ボリュームもいい感じで出てくるし、お値段もお手頃。

これは長期滞在でも困らないぞお。

ほかにもこんなのが。
看板には「ボロ」?
あ、違うボーロだ。
1 ぼうろ
そう。
赤ちゃんに食べさせるやつ。
結構大きくなってからも好きだった〜。

ほらほら。
一番右のは卵ボーロですよね。
1 ボウロ
せっかくなので食べてみたら
期待を裏切らず、知ってる味でした。

他にも、ケーキ屋さんに並んでいるケーキの見た目も大きさも
お味も日本のケーキ屋さんと見まごうばかり。
なのにお値段は半分くらい。
なんて素敵な国なんでしょう!

そして。
食い倒れてもチップの心配も要りません!

(つづく)

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中

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