Kinkoちゃん随筆

書に遊ぶKinkoちゃんの気ままな日常 ・・・現代アートから海外情報、最近なぜか少年隊まで⁈なブログ

心のバックナンバー10:美しい色

10 美しい色

身の代と遺す桜は薄住(うすず)みよ 千代に其の名を栄盛(さか)へ止むる

墨のような色だ、という表現を見てどう思われますか。

黒だから汚いもののように思ってしまう人も多いのではないでしょうか。

時々、教室にくる子供たちの中にも、墨=汚れ。
だから、家で書いてはいけません。
と言われてしまっている子供たちがいてかわいそうに思います。

たしかに子供が墨をこぼすことはあるかもしれないけれども、拭いてしまえば済むことです。子供だって一度やったらそうそうこぼしたりはしないものですが、イメージというのは怖いものです。

「家でも頑張ろう」

という気持ちの方がずっと大切な気がしますが、残念です。

さて、墨は本当に汚いのでしょうか。
ある時期アメリカでBlack is beautiful.というスローガンが流行ったことがありました。
人種問題のために生まれた表現でしたが、そもそも欧米で黒は色として認められていなかったようですね。だから、ものすごく斬新なコピーだったようです。

そもそも墨の色と黒は同じでしょうか。
本を読んでいても「墨を流したような雲」とか「漆のような黒」とか日本人は黒をひとつと捉えて来なかったのがわかります。

しかも、美しいものとして描かれることも多い。

長い間、黒髪は日本女性の美の代名詞でした。そして、様々な黒を認識して楽しんできたのは、私たちの豊かな文化だと思います。
黒への豊かな美意識が先なのか
墨の色を楽しむ経験が先なのかわかりませんが
墨の色の微妙な色にこだわるほどの感受性を持って来ました。

でも、もしかすると、今初めて

墨は一色じゃないの?

と疑問に思われた方もいらっしゃるかもしれませんね。
そうです。
墨には様々な色があるのです。
彩墨という絵の具のように色をつけたものを除いて、黒と表現される一般的な墨だけでもそれぞれ違う色を持っているのです。

材料の差によって青っぽかったり茶色っぽかったりする大雑把な違いもありますが、青っぽい中にも年月によって、使い方によって様々な変化があり、それを楽しんできたのです。

同じ人が同じ条件で磨ったつもりでも別の日には同じ色にならなかったりもします。
難しいと思うか楽しいと思うかはそれぞれですが、無限の色が生まれるのです。

その色の違いがはっきりとわかるのは、水でうすめたときです。
これを淡墨と呼びます。
意外と耳慣れないという方も多く、薄墨ですよ、というと通じることが多いですが、薄墨と言うと不祝儀を連想して終わってしまう方もあるかもしれません。
試しにインターネットで検索してみたら某筆ペン会社の商品が並ぶばかりでがっかりしました。

それはさておき、冒頭の歌は1500年以上前継體天皇が自ら植えた桜に詠んだものです。岐阜県にある有名な桜ですが、それは散り際の花の色が淡い墨の色に似ているところから「淡墨桜」と呼ばれています。その美しさを一目見ようと開花シーズンには一日に8000人も訪れるそうです。
墨の色が美しいと思える感性を持ち続けたいですね。
―――その前に。
美しいものを見て美しいと思える心でありたいと思います。

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ラテン世界の桜並木 ハカランダ・ジャカランダ

jacaranda mexico2017

去年カディスにいた時に
うわ!なんじゃこりゃ!
っと目を引いたのがこの紫の花。

背の高い大木が紫の花でいっぱいになっている光景は本当に驚きでした。

私だけが驚いているのかと思いきや、カディスに語学留学及びフラメンコ修行に来ていたトモミちゃんも驚いたって言っていたし、
コルドバに行った時初めて見た夫も
「なんじゃこりゃ?」
って言葉を発したし、やっぱり日本人には異様な光景らしい。

セビリアやマラガや色々なところに並木があって
「わ!ここにも!わっ!」
みたいな感じでいちいちびっくりしました。

写真を見せたらブラジルに住んでいた友達が
「なつかしい」
と言うので、彼女にとってもエキゾチックの代名詞であるらしい。
(同じスペルでもスペイン語ではハカランダ、ポルトガル語ではジャカランダと読むのだそう。)

今年も見られるかなと思っていたらマドリッドではみかけませんでした。
(どっかにはあるのかもしれませんが)
なんだか寂しく思っていたら、メキシコの人たちがフェイスブックにアップし始めて
「おおおおお!メキシコにもあるのか〜」
と嬉しくなって今年10月に予定されていた個展を来年のハカランダの時期に変えてもらいました〜。
(上の写真は今年のメキシコのハカランダ。フォルクスワーゲン=メキシコなので絶妙な組み合わせです)

前にメキシコに行ったときは季節が違っていて見られなかったのですが、桜のように並木になっているところがあちらこちらにあるらしく、春〜初夏の風物詩のような花なのだそうです。

メキシコからの写真を見て桜並木を連想した私の印象は正しくって
なんと、もともとは桜並木にしたかったんですね。メキシコの人は。

でも、メキシコには日本のような四季がないので桜には向かない。
ということで、当時メキシコに住んでいた日本の植木職人・松本辰五郎さんが
メキシコに向いた花はないものか、とブラジルから持ち込んだのがハカランダなのだそうです。

というわけで日本にはないのに日本と深いつながりがあったハカランダ。
来年が楽しみです。

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桜満喫in 土浦

我が家の前の桜はずいぶん枝を落とされてしまってさびしい上に、なんだかあっという間に葉桜になってしまいました。
寒い日が多かっただけに桜の時期は長かったように思いますが
今年はちゃんと見ぬままに終わりそう・・・・?

今全国的に土浦市の真鍋小学校の桜が有名なのだそうですね。
真鍋小と言われても最初ピンと来なかったんですが、実は母校の隣に昔っから存在していたのでした。
同窓生に「ほら、一高祭(高校の文化祭)の時に魔性、ならぬ真小対策ってあったじゃん(=隣からいっぱい来てしまうので小学生に荒らされないようにケアするのです)」と言われてようやく思い出しました。
満開だから見ていこうと言われてついていってみました。

写真のような老木がグランドの真ん中に3本、そしてぐるりもみっしりピンクに彩られて確かに見事な眺めでした。時期も最高。隣にありながら敷地に入ったのは初めてだったので予想もつかず、予期せぬごほうびはうれしいなあ、と思いました。
グランドの下一面に根がはっていて校庭を下手にいじれないということで、長年姿の変わらぬままらしい雰囲気がとても素敵でした。

さて、そんな素敵なごほうびをくれたのは卒業以来初めて再会した同窓生たちで、250人くらいも集まった同期の桜にも予想を超えた楽しい時間をもらいました。
なつかしいというよりも、いい出会いというような感覚。
でありながら初対面より緊張しないし、よいものでした。
きっとみんなが生き生きと今を生きているからだな、と思います。
私もがんばるぞ。

今では完全に半々ですが、私の在学中は
もと男子高に女子の入学が始まってからまだまだ始まったばかりに近い頃だったので
断然男子の人数が多く、この日のスナップ写真にもたくさんの男子に私が一人囲まれている写真があるのを見て、夫の態度がやけにやさしい。
予期せぬごほうびが続いています。
真鍋小桜















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