命がけな体験の連続を振り返った昨年末から早一年。
今年もいろいろありました。
生活面でのトラブルはようやくこのところ落ち着いてきました。
反対にこうしてギャラリーでの展示で年を越せるという実りある年末年始。
最近はオーナーののんびりした気性がわかってやきもきする場面もありますが、
なにはともあれ念願かなっての第一歩です。
前にも書きましたがこれってすごい第一歩なんです。
サッカーや野球で言えば草野球じゃなくてプロのチームに所属できて
さらに試合に出られた
みたいなことなの。
だからヨーロッパ人に
「今度こんな展示がありまして」
とDMを渡すと
Great! Wow!
みたいなセリフとともに場が明るくなるできごと。
その反応の違いだけでも場を変えて挑戦している意味を感じます。
この先の目標はもちろん売り上げアップなわけだけど。
戦いの場の獲得とともに
未来へ向けて新しい技術の習得も始めました。
現在版画師修行中。
先生もお弟子さんたちもほとんど英語を話さないのでスペイン語のOJTみたいな環境でもある。
スペイン語教室行くよりお得かも〜?
なんて。
このホセ先生のところへは私の尊敬するアーティストさんが行ってごらん、というので会いに行きました。
先生は初対面の時、そのアーティストの紹介で、と言ったら
すごく嬉しそうな顔をしたのだけれども
やってみたい、と言ったら
「こんな言葉のわからんやつにどうせいっちゅうねん?
(変なやつ紹介しやがって)」
みたいな困惑した顔にもなっちゃった。
でも、実際始めてみたら案外なんとかなる。
結局のところ実技だからね。
見て盗み、体で覚えるのだ。
というわけでやっぱりスペイン語学校も兼ねるっていうのは、ちょっと虫が良すぎるかもだけど体当たりでなんとかやっています。
よく版画は原画と違って何枚も刷れるわりには高い。
なんていう意見を耳にすることがありますが、とんでもない!
結構大変な作業の連続です。
これは篆刻でも感じることだけれども、原画と共通する作業(=印稿あるいはデザイン)の部分以外が案外肝だったりして、しかも神経も使えば体力や技術もかなり要します。
ここまでするなら原画を何枚も書いたほうが楽じゃない?
って思っちゃうくらい。
今は慣れていない上に下手だからなおさら疲れる。
慣れたら慣れたで質を求め始めるから違う大変が待っているのは篆刻で体験済みなんだけど
なんで始めちゃったかなあ???
実は
ホセ先生を紹介してもらう前から興味はずっと持っていたので
これまた思えば通じて実現する。
の一つではあったんだけど。
だって版画やりたいなんて一言も口にしたことはなかったのだもの。
神様っているんだなあ、と思っちゃうよ。
ちょっとしばらく頑張ってみようかなあと思っています。
版画といっても棟方志功みたいな木彫りじゃなくて、西洋式のプレス機を使うタイプ。
プレス機を回すのがなんかいい気分♪
これも途中重くなるからお腹にぐっと力を入れないといけなくて
見た感じと違って驚きました。
世の中まだまだ知らないことばかり。
フレーーーッシュな気分にひたっております。
書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中
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