実はEndless SHOCK 2012とともに入手してあった映画「19(ナインティーン)」のビデオ。
これもぐっと我慢して夏合宿を耐えておりました・・・

最近ご褒美ばっかりだけどもね、
言い訳をするとバランスとってるとこあるんです。

スペイン生活を始めてわずか3か月目で
日本語の単語が出なくてつっかえる
という恐ろしいことが始まっていたんです。

最初の6か月はとにもかくにもwifiの環境がよくなくて、そこに加えて私の持っていたスマホもPCも古くてキャッチする力が弱かったようで。
本当に日本と連絡がつきにくかったんです。
時差もあるからどちらかが忙しいと連絡できる時間にかけられないという問題も重なってたまにつながっても主人と安否確認できるだけで満足。
おしゃべりなんてとてもとても。
当然動画を見るなんてこともできませんでした。
まわりは外国人だらけ。
アーティストインレジデンスでは英語しか使えない。
町に出ればスペイン語とカタルーニャ語が聞こえる。
そんな生活をしていたら、
こんなに長く日本語を母語として生きてきたというのに
「日本語の」単語が出なくて言葉がつまる、なんてことになって慌てちゃいました。

その環境に身をまかせれば、英語もスペイン語も早くにもっと上達したのかもしれない。
でも
日本語を失うのが怖かった。

だから何かとタイミングがあってたんだとは思う。
スペイン語を身につけなくちゃと焦りながらも日本語に触れなくちゃっていう焦りがあった。

そこに少年隊との出会いなのよね〜運命運命。
癒しと刺激をもらってるっていうか。

過去の作品でもリアルタイムで見てない作品を発掘しているから単なる回顧趣味ではなく新鮮に感動しているわけだし、同時にわれらが世代を誇らしく思えるっていうおまけつきで申し分ないんだわねえ。

で、この映画「19(ナインティーン)」もその見ていなかった作品のひとつ。
少年隊の代表作である「君だけに」がこの映画のために作られたもので、時空を超えてギリシャ神話を連想するような詩的要素に、少女漫画から抜け出したような3人の無垢なビジュアルがばっちりぴったりマッチして文句なしのヒットとなっているわけですが、
少年隊が切り開いた踊るバラードという新世界とともに
世間をあっと言わせたのが「流星のサドル」でしたねえ。
いやホント。久保田利伸の登場ってなんか日本の音楽シーンを変えちゃったよねくらいの衝撃がありましたよ当時。
彗星のごとく登場ってまさにこれだよね。
みたいな。
「流星のサドル」って。そのものじゃん。
それが少年隊映画のオープニングだったなんて。
いまさら時空を超えての新たな衝撃。

ほかにも映画全体を通して中村あゆみの歌声だとかボウイだとか時代を感じさせる音楽が満載。
ジャニーズ一辺倒じゃない。
あくまで東宝がちゃんと作った映画で、少年隊のプロモーションビデオじゃないわけです。だからあの時代を象徴するおしゃれな音楽がふんだんにもりこまれてる。
そういう意味でも、少年隊ファンじゃなくてもすごく楽しめる映画になっています。
SFを扱うには当時はまだまだ技術面では試行錯誤の途中。
でも、試行錯誤中ならではの熱がある。
今のCG時代よりよっぽどSF的に楽しめます。
しかも角川映画よりかは少し先に進んでいて、鳴り物入りだった角川の特撮に映画館で
「ぐぐぐぐぐ。そんな・・・」
と失望や苦笑を禁じえなかったことを思えば全くよくできている。

ま、あとは結局ここに戻るけど
3人とも美形
っていうこれがとっても大事な要素で、時代がかった不思議な装束も、未来の景色も自然に受け入れられる。
ほかのグループとすげかえて想像してみると、どんなに無理があるか・・・。
それを計算に入れてのあえてのSFなのかどうかはわからないけど
たのきん映画とは一線を画したSFっていう設定はとても良かったと思う。
私はすごーく楽しめました。

「少年ドラマシリーズ」で育った子供には未来へ行ったり過去へ行ったりっていう夢は大好物だし。
小説もアニメもSFが楽しかった。

映画界もそれこそ1980年代っていうのはスターウォーズ、ネバーエンディングストーリーに始まりET、ターミネーター、エイリアン、そしてバックトゥーザフューチャーとSFの名作&大ヒット繚乱の時代。
映画館も満員ならテレビでの再放送も多かった。
そんなSFどっぷりの時代を過ごした私ではありますが、この中でいうとバックトゥーザフューチャーの次に好きだぞ?!少年隊映画「19(ナインティーン)」。
バックトゥーザフューチャーにも2になら勝てる。

今になって初めて触れる人にはバブル期のドタバタ感あふれるいくつかのシーンに抵抗を持つ人がいるかもしれないけど、全体に明るい空気が感じられるのもバブル期のいいところ。未来に希望を持っている空気が漂っているっていうか。
そういう見方でこの先の若者たちにも触れてもらえたらなあと思う。

残念なのは無理やりお笑い2名のシーンを入れたのが気に入らないかな。当時のお笑いブームを思えば仕方がないところもわかるんだけれども、その下地がない人が見たらそこだけ異質でしかもクオリティを下げるところでもあるのがなんとも惜しいです。この人たちもその後役者としても活躍していくことになったのではありますが・・・。

それから少年隊ファンの方にはまったくどうでもいいことかもしれないけど
刑事役に柳生博が出ていたのも個人的には「わっ!」っていうポイントでした。
数少ない母校(高校)出身のゲーノージン。
役者柳生博って何年見てないかしら。
この当時すでに柳生博は50歳。
今の少年隊とちょうど同じくらい。
今でも元気な少年隊、とくにヒガシはしょっちゅう「まだ動ける」って賞賛の対象になっていますけれども、この映画の中では柳生博50歳のすっきりボディと軽やかな身のこなしも観ることができ「役者さんってすごいなあ」と先輩も尊敬。

いろんな角度で鑑賞した少年隊映画「19(ナインティーン)」。
自分の同じ頃を思い出しながらの甘酸っぱさもスパイスにわくわく。大いに堪能しました。

買う前はねえ。
そこまで手エ出しちゃう?どうする?
と思っていたんですけどお。
よかったです。おもしろかったもん。

ただ、これは少年隊プレゾンのビデオほどには流通していません。
だから古本屋でなんとかみつけたのだけれども
もうここまでくると卒論でも書こうとしているかのような情熱だわね、我ながら。
古本屋は本業のために一時期かなり利用しましたが、今になってその経験が生かされるとは(汗)

プレゾンの場合はチケットが高いし会場も限られているから、見に行けなかった人がビデオを買ったっていうことも多かったと思うけれど
映画だと全国で見られるし、ティーンのお小遣いで行けちゃうわけなので、たくさんの人が映画館で見ちゃっただろうと思います。
映画館で見られちゃったものをあえてビデオまで買うっていうのは相当筋金入りのファンですからねえ。ビデオを買えるお金があれば10回大スクリーンで見られるんだし。入れ替え制のほうが少ない時代だから気に入ったら同じ日に3回4回と繰り返し見た人もいっぱいいるんじゃない?
だからかどうかプレゾンビデオより探すのが大変でした。とは言え、これからも出てくる可能性はあるのでみつけられたら即購入をおすすめします。
でもビデオデッキがある人に限られちゃいますからね・・・
DVDで復刻したらもっといい。

少年隊ディアゴスティーニって無理なの?
初回は少年隊のフィギュア付きって。

ファンが関連会社で働いてるとかいうことないのかしらねえ。

10行ちょっと話はもどりますが・・・
今の子がみたら「ティーン」って。
てつっこまれそうなんだけれど。。。今なんていうの?
ハイティーンっていう言葉はマッチをきっかけに知ったけど、これから来るものっていう未知なる憧れの言葉として聞いていたっけなあ最初は。
実際にその年になったころにもなんだかキューンってくる言葉だった。
今、青春まっただなかです!みたいな。
今の日本の子ってなんていうの?
もちろんhighteenは英語圏で使われているし、スペイン語にもそれに相当する単語があるんだけど最近日本ではそういうキューンとする言葉ないよね。
ま、死語扱いされようとなんだろうと他にぴったりくる言い方わかんないなあ。

ちなみに映画の見どころは・・・
ヒガシのキスシーン?
きっと当時のティーンにとっては大事件だったことでしょう。
しかもアイドルなのにあんなにしっかり・・・
相手があんだけの美人でよかったね。現実ばなれしてて。
かっちゃんにもあるんだけど・・・
おでこにチュッがほどよくかっちゃんらしくてよかった。
で、ニッキは・・・
ないです。
だってきっとニッキのキスシーンって生生しくなっちゃう気がするから・・・
この映画ではNG。正解だったと思います。

ではここで、少年隊映画「19ナインティーン」 中身をほんのちょっとだけ・・・

ハリウッド映画のような映像からスタート。
砂漠に全身を布で覆った3人の男。
825年。サマルカンド。
一人が言う。
「彼女はどこまで逃げるつもりなんだ」

ところ変わってほんのちょっと未来(1998年)の日本。
パパとママがバカンスにでかけてお留守番中の女子高生ミヤコと弟小学生ヨリトモの家に、偶然出会った不思議な装束の男の子イースト(ヒガシ)を泊めることに。
夜中、家の中に男の子が二人増えているのに気づき慌てるミヤコ。
しかし結局「明日の夜には東京を離れるからそれまで」という3人のお願いを聞き入れる。
だってイケメンなんだもの!
ところがこのイケメンたち。
実は未来(2550年)から来たタイムパトローラー。時間犯罪をとりしまる未来警察官。
発見された新惑星の異生物に同化されてエネルギーのバンバイアと化したカミーラたちをほろぼす任務でやってきた。
少しの間宿を貸すだけのはずが姉と弟も騒動に巻き込まれてゆく。
果たしてイースト、ウエスト(ニッキ)、サウス(かっちゃん)は無事任務を果たして未来へ帰ることができるのか・・・。

映画公開の1987年の少年隊プレゾンもタイトルは「TIME-19」で映画のミュージカル版と紹介されていたりしますが、こちらは未来の3人が恐竜を探しに過去へ向かうという全然違うストーリーになっていて衣装も踊りがちゃんとわかる未来風味の?カジュアルパンツスタイルになっています。つまりは映画では踊らないし歌いません。3人の若いながらもしっかりしたお芝居をお楽しみください。いつもながら個人的には、この時期の役者かっちゃんのかわいさはもちろんのこと、声がたまりません。

テレビで放送とかされないのかなあ?(見られなくても広めたいから)
昔は植木等だって石原裕次郎だってプレスリーもビートルズの映画も土曜の午後や日曜日に放送されていたりしたけどねえ。
朝から晩までどのチャンネルでも似たようなワイドショーを無理やり放送するくらいなら再放送のほうが見たい人が多いのじゃないかと思うけれど・・・。
経費削減。視聴率アップ。
そうやって世代を超えて作品を紹介していくのって大事な気がするけどなあ。
名画座も復活したらいいのにねえ。

ここまで来ると「あいつとララバイ」も見たくなるではないか。。。
探してみたけど今のところAmazonにある超高額のしかみつかっておらず・・・。
だれかアップしないかな〜(悪魔の囁き)

注)ニッキは少年隊の錦織一清。かっちゃんは植草克秀、ヒガシは東山紀之。

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中
インスタはこちら☆https://www.instagram.com/sachiyo.kaneko/

「おはなしコンサート」(童音社)復刊にご協力ください。
復刊.comは基本書籍の復刊活動だけど少年隊のVHSもなんとかならないかしらん?