Kinkoちゃん随筆

書に遊ぶKinkoちゃんの気ままな日常 ・・・現代アートから海外情報、最近なぜか少年隊まで⁈なブログ

読書

【独学でスペイン語!】多読33 スペイン発 テーマは日本

2人の女性が日本をテーマに書いた全然違うタイプの2冊。いずれも初版は2020年です。

viaje'El viaje'

バルセロナ在住のイラストレーター(アルゼンチン人)が初めて日本へ。
女友だちとのドタバタ珍道中。
リアルな体験談が図解されています。
お祭りで、ふんどし姿の男性たちを見て「おしり出してる」としか受け取れない感覚とか、意外な視点にも出会えます。

イラストの日本人の顔を見て「差別だー」って感じちゃう人には無理。
一本の線で描かれたつりあがった目。昔からのステレオタイプの「中国人」です。
実際の日本人を見てもこれ?
(アメリカさんはこれには差別だ!って騒いでくんないよねえ。変だよねえ)

細目扱いされるのは、私は仕方ないと思ってますが、
もーちょっとかわいく描いてくれてもいいでしょうよ!
とは思いました。
たれ目にするだけでもよかったのにね。

主人公(作者)の性格がめんどくさくて最初はちょっと距離を感じていましたが、
終盤に大ーーーきな共感ポイントが。
ホテルの枕の上にあるクッション、嫌だよね!
毎回洗っているとは思えないあれ。
早く世界のホテルからなくなればいいのに。

だんだん距離が縮まって、最後は作者と一緒にすっかり日本に癒された気分になりました。

イラスト本ですが半日かかるくらい読む量があります。
出てくるスペイン語は短文ばかり。スペイン語初級から挑戦できます。

sakura'SAKURA'

スペインの原田マハ?
作者は原田マハと年齢も同じです。

ゴッホの名作「医師ガシェの肖像画」を探せ。
バブル期に日本の大昭和製紙名誉会長の斎藤了英が124億5千万円で落札して世界を驚かせ、現在行方不明の実際の作品をめぐる物語。フィクションですけどね。
冒険ミステリーです。

日本人、イギリス人、フランス人、オランダ人、イタリア人、アメリカ人がパリに集合。
謎を追いかけ日本へ。

そこには21世紀の日本がきちんと描かれています。
スペインでは買えない便利グッズの数々が登場したり、東京外郭の下水道が紹介されていたり。
それでいてフジヤマゲイシャ的気分も味わわせる。

霊のことをkamiと呼んでいたり、お盆やお墓参りの説明でちょっとだけ残念な間違いがありますが、きっと作者に怪情報を与えちゃった日本人がいたんですよね。それこそが21世紀日本の残念なリアル?

全体としてはよくぞここまでリサーチしたなと唸らせてくれます。
ゴッホ周辺情報だけでなく、日本の話題でも
「距跋渉毛(きょけつしょげ)」って何?
浄真寺ってどこ?
なんて何度も中断しては検索。そこからさらに関連情報を調べ始めちゃったりして本を読んでいる時間より長かった日も。

ストーリーと同じ8月に登場人物たちに負けないくらい汗をかきながらの長い読書でした。

ところで、この本の中で
浮世絵が ’pinturas del mundo flotante’ と訳されています。
これ合ってるのかな?
浮世って憂き世でしょ。現世でしょ。
ようは描いた時の「今」を描いた絵ですよね。雑誌やポスターみたいな。
mundo flotanteだと神仙画とか仏画みたいな想像の世界をイメージしてしまうのだが。。。
和紙の英訳がrice paperで定着しちゃってるみたいなことなのかしら?
ご存知の方があったら是非教えていただきたいです。

注)「多読なのに辞書?」って思われるかもしれませんが「精読でなるべくたくさん読む」っていうのに挑戦中です。その分レベルは欲張らない。
スペイン語は独学なのでKinko流多読です。くわしくは↓
【独学でスペイン語!】番外編 落ちこぼれを1年で大学に!伝説の教師(残念ながらこのブログではスペイン語特有のエニェとかアクセントとかが正しく表示できません。悪しからずご了承ください)
【独学でスペイン語!】多読18 100冊達成!!!100万語

☆スペイン語多読で読んだ本についてはほぼ全てご紹介しています。カテゴリー「スペイン語」またはサイト内検索、タグなどご活用ください♪

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【独学でスペイン語!】多読32 300万語達成はカルメン・モラ!! 

スペイン語多読100万語達成したのが昨年7月。
ちょうど1年。
300万語を超えましたー!!!

puy'PUY DU FOU'

コロナの最中、2021年にトレドにオープンしたテーマパークPuy du Fou
ホテルのロビーにパンフレットがあったかと思ったら、メトロのホームで何度もポスターを見かけて気になっていましたが、まさか去年できたばかりとは。

テーマパーク Puy du Fou のテーマはスペイン。
スペインの中にスペイン村?

スペインに来て半年後にはバルセロナで一人、マドリッドで一人、志摩のスペイン村=パルケエスパーニャで働いていたというダンサーに会いました。
それから1年後のマドリッド。メトロの通路で歌っていた歌手に「声がいいね!」って声をかけたら
「でしょ?日本人は私の声好きなのよ」
パルケエスパーニャで歌っていたのだそうです。

でも一般のスペイン人には日本にパルケエスパーニャがあることなんて全く知られていません。

あるんだよっていうとまず半信半疑。
ホームページを見せると規模が大きくてびっくり。ものすごくウケちゃいます。

日本の志摩スペイン村はどちらかというと小さな子供連れのファミリー向けですが、Puy du Fouはもっと骨太な模様。
写真を見る限り巨大な蝋人形館みたい。キャラクター要素ゼロ。
歌や踊りのあるショーになれば楽しいのかな。

今年6月に出版されたばかりのこの本はPuy du Fouの予習用でしょうか。やっぱり骨太!

270ページのうち100ページがPuy du Fouのカラー写真で副題は
「スペインの歴史における15の特別な瞬間」

前に読んだ'La HISTORIA de Espana en 25 historias'みたいに楽しく読めると思って買ったのですが、物語的要素が皆無でした。
スペイン史。歴史の教科書です。それも比重の偏った。奴隷貿易だのユダヤ人追放だの闇の部分も語っているのは歴史の本としては公正なんだろうけど、これがどーやってショーになるの?

ともかく「私の目的は多読だ!」と自分に言い聞かせて読破しました。

300万語は気持ちよく達成したい!
口コミで確実なエンタメを選ぶことにしました。
掲示板でも工房でも名前の挙がった長編推理小説がこちら。

ginata'La Novia Gitana'
「花嫁殺し」というタイトルで去年出た邦訳も人気だそうです。

スペインではもちろん大人気。どこの本屋さんでも山積み。

快適ーーー!
さくさく読める。
辞書いっぱい引いてるのに進む進む。

決して長〜〜くてゆ〜〜っくりな'El Ultimo Barco'と歴史の教科書の後だからってだけじゃないです。
刺激的な要素をちりばめながら、どんどん話が進んでいく。

主人公は有能な肉食系女性警部Elena Blanco。
女性警事の出てくるミステリーといえば・・・あれ?小説では読んでないな。
ドラマならいろいろ浮かびます。「アンフェア」とか「BOSS」とかエトセトラ。
謎を解くだけならキャサリンもいるし、赤い救急車シリーズも温泉女将もいる。

彼女たちと比べて'La Novia Gitana'の主人公Elena Blancoの特別なところは、エレガントなところもかわゆいところも全く描かれていないところ。
おばさん刑事桜乙女みたいに冷蔵庫の中を見てピンとくる!みたいな女性目線もありません。
むしろこのまま男性にしたらよくある刑事ものの主人公。
カルメン・モラという女性作家が書いた女性主人公としては意外でした。

でも昨年、覆面作家だったカルメン・モラが文学賞の授賞式に出席し、3人の男性脚本家の合作という事実が公になったそうです。
男性が書いたと思うと腑に落ちる部分がたくさんありました。

でも、だったらむしろセクシーな警部でよかったじゃん!
いろんな忖度でセクシーにできないなら男漁りさせるのも不自然だっつーの。

そんな不満はありますが、エンタメ性が高いのもテンポがいいのも脚本家さんだからなんですね。

現在スペインで'La Novia Gitana'のテレビドラマシリーズ製作中みたいです。
マドリッドが舞台なので、土地鑑がついてきたのを実感するのも読む楽しみのひとつでした。
ドラマだとさらにマドリッドの魅力が伝わると思います。
宣伝のサイトに紹介されている写真だけでも素敵。

でもね。私は絶対見ませんよ、ドラマ。
映像になったら気持ち悪いシーンが多すぎます。
展開はおもしろいけど、犯罪の内容はけっこうきついです。

だから迷ってるんですよねえ。
本作の最後は「つづく」みたいな感じで2作目の予告になっているんですが、かなり滅入る内容で。

その'La Red Purpula'と、続く'La Nena' はまだ邦訳の予定がないとか。
9月にはシリーズ第4作'Las Madres'が出版されます。
邦訳が出る前に読めるのもうれしいけど・・・読むか悩む。

まず今はスペイン語多読300万語達成を祝おう。
300万語読むなんて2年前には想像もしませんでした。
1年後は何万語に届くかしら。
頑張りまーす!

注)「多読なのに辞書?」って思われるかもしれませんが「精読でなるべくたくさん読む」っていうのに挑戦中です。その分レベルは欲張らない。
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【独学でスペイン語!】番外編 落ちこぼれを1年で大学に!伝説の教師(残念ながらこのブログではスペイン語特有のエニェとかアクセントとかが正しく表示できません。悪しからずご了承ください)
【独学でスペイン語!】多読18 100冊達成!!!100万語

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【独学でスペイン語!】多読19 101冊め ちびっこ吸血鬼

記念すべき101冊目は?

vampiroEl pequeno vampiro(10歳〜)

下水道掃除屋さんと一緒に買ってあって、実はあの後すぐ読み始めたのですが苦痛になって途中で放り出していました。

邦訳が出ているようなので調べてみたら、原作はドイツで、ドラキュラの話でも怖い話じゃなくて友情や恋愛のファンタジーだという。映画にもなっているようす。でも・・・

中の挿絵は暗い。表紙の絵も微妙に怖いけど、挿絵はもっと暗い。

冒頭はドラキュラという特殊なキャラクターゆえの特殊な用語がたくさん出てきて辞書と首っ引き。
そうして頑張っても物語の展開がものすごくゆっくりで全然話が見えてこない。
なんでドイツではこんなのが人気なんだよお。

ところが!

8歳向けにもどって100万語を超え、再び開いてみたところ・・・

あら不思議。

すらすら読める♪

ちょうど中盤、物語が動き出したところでもあり、あっという間に最後まで読み終えてしまいました。

100万語達成の時には実感のなかった効果を100万語を超えてみたらしっかり実感♡

これは多読を続けにゃならん。

読破しつつも私は1冊で十分と思った当作ですが、続編も存在します。お好きな方にとっては多読の味方に!

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【独学でスペイン語!】多読20 力試し!12歳に挑戦

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【独学でスペイン語!】番外編 落ちこぼれを1年で大学に!伝説の教師

ずいぶんスペイン語の記事も増えてきました。
時々、英語などにもいい及ぶことがありますが、それも含めて

なんなの?この人。
まだスペイン語たいしたことなさそうなのに信じていいの?

という気持ちになる方も多いかなと思います。

そこで今日は私と語学についてご紹介します。転機になった話から。

一年で落ちこぼれを大学合格させる伝説の教師!

この伝説の教師。実はこれ、私です。

ドラゴン桜か?あんたは桜木先生か?

いえいえ、暴走族やってません。
東大にも入れてません。

ただ、1年あれば本当に、中1の最初の最初のレベルから大学入試に耐えうるレベルにまで力をつける奇跡を何人も目の当たりにしたことは確かです。

その体験はきっと語学を勉強している方の希望になるだろうと思います。

くわしい話は後日にまわしますが、
そもそも私が「英語の落ちこぼれ」を体験したことがすべての始まりでした。

一旦は会社に就職したものの、忙しすぎて「未来の準備」ができないと思ったので退社しました。
それでも「未来の準備」のためにお金は要る。
そこで日本語教師になることにしました。

なぜ日本語教師か。
それは英語に自信がなかったからです・・・・・・。

完全にネガティブな動機。

就職には日本語教育検定試験合格と大学副専攻レベルの受講というのが必須だったので、専門学校に半年通い、その間に試験を受け、卒業と同時に運よく業界でもトップの2校に採用されました。

一つは欧米系のビジネスマンに英語で教えるマンツーマン授業。

もう一つはアジア系の学生に半日みっちり教えるクラス授業。

この学校が大学進学をめざす学生のための専門学校のようなところで、二十歳前後の若者が熱心に勉強するところでした。

例年ちゃんと大学に入れるいい学校だったのですが、一つ課題を抱えていました。それはこの日本語学校特有のものではないのですが、合格率と大学のランクを上げるには解決すべき課題でした。

それは英語。

日本語学校なのに英語。

というのは、シンガポールなどから来るごく一部の学生を除き、中国、韓国、台湾の学生たちは壊滅的に英語ができなかったのです。
日本と違って、彼らの国では英語が「そこそこ」できる人がいません。
得意なら徹底的に伸ばす。
苦手なら、苦手科目に時間をかけるのはもったいないので結果の出せることに時間を使う。
そういう指導なのだそうです。

英語が苦手でも大学に入りたい学生の逃げ道。それが日本でした。

しかし。

逃げてきたはずが、日本の大学入試では英語が重視されます。

必死に日本語を学んだにもかかわらず英語で落とされる。

そんな学生があとを絶たなかったのです。

そこで希望者に英語の授業を提供することになりました。
自宅で英語の塾を経営しているA先生が一人で担当して、そこそこできる学生相手に指導されていましたが、本格的に充実させる企画が持ち上がり、もう一人の指導者として私に白羽の矢が立てられました。

「ちょうど津田塾出身の新しい先生が入ったわよ!」

そんな鶴の一声で私が担当することに。

ええええええ?
英語を避けて日本語学校に入ったのに英語おおおおお?
と、アジアの学生たちと同じ悲鳴を上げました。

でも「未来の準備」のためにお金が要る私。
仕方がないので引き受けることにしました。

しかし、学校はA先生は従来通り「そこそこできる」学生担当。
新米の私に下のクラスを担当しろといいます。
そっちの方がハードル高いでしょうよっ!!!

どこから手をつけていいかわかりませんでした。

だって。

尋常じゃなくできないんですもの!彼らの英語。
ホンっとにゼロ。そこから大学入試?

教務室で「どうしたらいいんですか?」と聞いても、「英語のことはわからないわよ」とだれも相手にしてくれません。
人事担当の先生は「A先生に聞いてみて」の一言。

会ったこともない大先輩のA先生に何度も電話してみたけれど
「わかりません私。普通にやってるだけです」
のらりくらりとかわされて何も教えてもらえません。
ああ怖い。女の世界。
今まで一人で担当してきたのに、ぽっと出の若い女に自分のお株を奪われると思ったようなのです。
かたくなでした。

英語教師になった大学の友人たちに電話をかけて相談しましたが、
ゼロから1年で大学?
いつもそこで止まってしまいます。

その中でも「自分が苦手を克服したのはこれだった」という本を紹介してくれた人がいて、藁にもすがる思いで使い始めましたが、その本は急いで結果を出す本ではなく、生徒たちもそれに気づいて日に日に参加が減ってしまいました。

そしてだれもいなくなった・・・。
人生でなかなかないレベルの屈辱でした。

それでも次の年「もう一度やってごらんなさい」との指示。

え?チャンスもらえるの?よーし!やってやる!!!

もう誰もあてにできません。

ネットもまだありません。

そこで本屋さんに通いました。

ある日、とある本屋さんの店頭にNHKのラジオ講座、テレビ講座のテキストが山積みになっていて、基礎英語と高校英語のテキストが目にとまりました。

それを見てひらめいた私。

NHKのテキストって薄いよね。でも基本項目って全部網羅してるよね。

ん?

ってことは中学、高校でやらなきゃならないことって骨組みだけにしちゃえば案外少ないわけ?

やれる気がしました。

そこでNHKのテキストと中学、高校のなるべくやさしい問題集を買って、まずは自分がゼロから徹底的におさらいしてみました。

するとどうでしょう。

文法とは、こんなに便利な公式だったのか!

目からウロコが落ちました。

大学入試の英語は読解力と作文力でくぐり抜けた私。
つまりは国語力と推理力、想像力。
英語の力でないのはわかっていたけど、
単語が覚えられないとか、構文が覚えられないとか、
私の英語が伸び悩んだのは記憶できない頭のせいだと思っていました。

文法はだいたいわかるけど、文法の問題っていやらしい例外ばっかりつついてくるわよね。
まじめにやってもしょうがないじゃん。

そうやって逃げていました。

ずっと文法が「だいたい」わかるだけで「そこそこ」の英語から抜け出せないでいたのです。

それが、さんざん高校、大学で自分のレベルを超えた難しい英語にさらされた後、こうして基礎の基礎にもどってみたら、そこには理にかなった数学の公式のような骨組みがあったのです。

わからない単語に悩まされることなくシンプルに構造と向き合えました。

自分に苦手な穴がない完璧な状態になったところで、1年のカリキュラムを立てました。
苦手があった分、苦手な生徒がどこでつまづくかも手に取るようにわかります。
中学1年生の最初の最初のレベルから、高校英語まで、全部を網羅したシンプルな計画。
時間がない生徒たちなので読解はなし。
入試まで1年しかないし、ほとんどの学生はバイトまでしていました。
日本語は週に20時間授業を2年間。
でもこちらは週に1回2時間の授業です。
徹底的に文法中心のシンプルな授業をすることにしました。

すると、初年度の失敗がうそのようにうまくいったではありませんか。

実力がつくだけでなく、クラス全体が楽しそうに。

英語から逃げてきた子たちとは思えないいい空気でした。

もちろん有名大学合格の結果も。

翌年のクラスはさらに成績の上がり方が急ピッチになりました。

その後、このメソッド?で日本の高校生も含め何人も救うことになりました。

この経験で記憶に残っているのは、私の指導にくらいついてきた生徒のがんばりです。

文法も含め、語彙などの定着は授業中にはできないので宿題でカバーしました。
ポイントはしぼりにしぼりましたが
それでもけっこうハードな量だったと思います。

次の授業で確認しながら

「高校時代の私にやれって言ってもできなかったな」

と毎回、心の中で感動していました。

やみくもに時間をかけてもダメだけど
やることがわかって、そこにきっちり努力を注げば結果は出る。
それを実感できたことはその後の人生の宝です。

この体験をできたのは、とりもなおさず英語から逃げたことがきっかけだったわけですが、この指導の準備と指導経験のおかげで自分の英語も伸びました

後にECCの英語講師としてTOEICを教えることがありましたが、その時も生徒よりだれより実は私の成績が一番上がりました。
これも実力以上の課題にアップアップするより基礎固め、という実例です。

がんばったのは生徒です。
指導者として手伝えたとすれば生徒が頑張れるよう道筋をシンプルに見せてあげたことでしょうか。
この道をまっすぐ行けば着くんだよ
信じて進みなさい って。


独学でスペイン語勉強中。
今、私は指導者なしでスペイン語を勉強しています。
10代の脳ではないけれど、苦しい時には生徒たちの起こした奇跡を思い出しながら、がんばっています。

今の私に超シンプルな近道を教えてくれる指導者はいないので自分で手探りしていますが、英語の経験をふまえて

1)まずは基礎文法を一通り
2)慣れるための足踏み(8歳程度の本の多読)
3)文法の定着
4)ここで飛躍が待っている!

という図を描いています。

どんなものでも身につけるには階段を一つ一つコツコツと。
そんな風に言われることが多いですが、語学でもなんでも初級の階段はラク〜な広〜い段を楽しく歩いていればいいのに、中級で突然険しくなる。
1段目からあまりにも高くてあきらめる。
そんな経験をした人は私だけではないのではないでしょうか。

たまにその1段をポンと上がれる人がいます。
そういう人しか先に進めないと思っていました。

でも、初級と中級の間のはしごをみつければ天才じゃなくてものぼることができる!しかもそのはしごこそが結構長い。
そうわかっていれば、今の足踏みも無駄じゃないって思えます。

はしごというより、その一段を飛び上がるための助走といってもいいかな。

今の私のスペイン語はここにいるんだな、と思いながら今日も本を読みます。
次の100冊が勝負の分かれ道、そんな予感がしています。

この先、飛躍を遂げるには絶対に作文が近道なのですが、その話はまた別の機会に・・・・・。

注)小学校で英語が始まっていない時代の話なのでゼロ地点は中1という設定で書いてあります
【独学でスペイン語!】多読18 100冊達成!!!100万語
【スペイン語特訓終了!語学習得の近道】

☆使用した教材、スペイン語多読で読んだ本についてはほぼ全てご紹介しています。カテゴリー「スペイン語」またはサイト内検索、タグなどご活用ください♪

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【独学でスペイン語!】多読18 100冊達成!!!100万語

やりましたーーーーー!!!

辞書がこわれました。
中学や高校の時は「やってる感」を出すために無駄にみんなページをパラパラして手垢で汚したもんですが、そんなポーズをしなくてもしっかり汚れました。

目標達成です。
100冊です。100万語です。

多読の目標を立てたときに読んでいた8歳向けの本が1ページに100語で100ページくらいだったので、100冊読めば達成するじゃん!
と100冊の目標をたてました。
この100冊には絵本や、8歳未満の本も含まれていますが、10歳向けも含む厚い本たちが十二分に語数をカバー。
しっかり100万語を超えました。(数え方は下に)

ここであらためて多読を扱っているブログetc.をさらってみました。
英語についてのサイトがほとんどですが、スペイン語にも応用できるはず。
特にこちらの研究会の説明がわかりやすかったので興味のある方はどうぞ。
英語多読研究会SSS
多読に取り組んでいる方々の間ではこの酒井先生の指導法が有名みたいです。

知らなかった!!!

知らなかったけどたどりついた結論は似てた!!!
語学の先生がすすめるレベルの「やさしい本」はサクサク読めるほど易しくないって話。
だって、やろうとしたもん。
シドニー・シェルダンもいっぱい読んだもん。
高校、大学でさんざん英語やった挙句取り組んだけど、大変だからやめちゃったもん。

しかし、「もっとやさしい本を」という考えは同じでも、酒井先生の多読のルールは

1)辞書は引かない (引かなくてもわかる本を読む)
2)分からないところは飛ばして前へ進む (わかっているところをつなげて読む)
3)つまらなくなったら止める (1、2の原則で楽しく読めない本は読まない) 

だそうですが、ここまでに毎回書いてきたように

辞書を引いて構文もしっかり理解しながらたくさんよむ

これがKinko流多読です。

というのも、こちらの研究会が普及活動を始める前の20世紀にすでに、英語の上達にはシャワーのように音を聞け。たくさん読め。っていうのはよく言われていました。
そりゃそうですよね。最前のサイトにも夏目漱石の例まで出ているんですから。

私の場合、祖父母が早稲田大学の下宿屋をやっていて、ある時、英検1級をとった下宿人さんがいたそうで

「その人の部屋からは一日中英語が聞こえていた」

という話を物心ついたときから耳にタコができるほど聞かされていました。

それならば!
と、やりましたよ。
1日中ラジオつけっぱなしとかテープ流しっぱなしとかやってみましたよ。
でもです。
なんにもなりませんでした。

だって、意味のわからない言葉なんて雑音と同じだもん。

わかってる人がやるから意味が出るんだってつくづく思いました。

私の場合、聞き取りを劇的に伸ばした学習法は、ひたすらドラマを見ながらの書き起こしでした。2年くらいやったかな。地道〜〜〜〜〜〜〜。

読むのもこれと同じ。きっぱりそう思ってます!!!

子供と大人は学習条件が違いますし酒井先生の3ルールも特に1,2は受験生に必要なスキルだったりしますので、ご判断は読む方、利用する方がご随意に。

さてさて話をスペイン語学習にもどします・・・。

【多読をやってみて感じたこと】
文法をひと通り終えたところで8歳向けくらいの本をじっくり100冊以上読む。
この足踏みが負担なくしっかり力をつけてくれるんだろうな。

8歳向けを軸に読んできましたが、徹底的にこのレベルを読んでラクになったところでもう一回文法をおさらいしたら今度こそ本格的に定着しそうです。
このレベルを辞書なしで読める語彙力がつけば10歳以上の読書がかなりラクになるはず。多読のスピードもどんどん加速する〜!

8歳といえば日本では小学校3年生。
漢字の学習が本格的に始まる年齢です。
かけ算という算数の肝を身につけるのもこの時期。
学習のターニングポイントですよね。

そう考えると8歳あたりの本っていうのはつくづくあなどれないレベルなわけです。

自信をもって読もう、児童文学!

ここまでたくさん試行錯誤しました。
最初本を探し始めた頃は、言葉もわからなければ知り合いもいない土地で右も左もわかりませんでした。
本屋さんを探すのも大変なら店内でもうろうろ、おどおど。
本の裏表紙を見たところで概要の説明が理解できないから直観で買うしかなく。

しかも本屋さんによって品揃えがまったく違う。
品切れも平気でしてる。

タイミングよく在庫がある状態の、品ぞろえのいい本の売り場に遭遇しない限り、ほしい本に出会えません。

ならネットでさがすのかといえば「つくづくネットで本を探すのは大変」という結論に落ち着く。
ほしい本が決まっている時はいいけれど、探す時きちんとまとまった形で本のリストを見ることってできないんだから。
出版社のサイトですら系統だって全部が見られるサイトはなかなかありません。
他の学習者のブログも探してみたけれど、たくさん並べている人っていませんでした。

そういうわけで、最初は
「8歳向けは子供っぽい。早く上に進まなくちゃ!」
と勘違いしてしまいました。
そのころの実感はこちら独学でスペイン語!多読2 今度は8歳

実は「いい作品」がたくさんあるのに。
「いい作品」に出会えさえすれば、楽しみながら自然に力がつくのに。

ほんとーーーーーーーーーーーーに大変だった。
読むのがじゃなくて、いい作品を探すのがです。
でも、もっと大勢の人にスペイン語を一緒にがんばってほしい!
ここまでの作品紹介がどなたかのお役にたてるなら本当にうれしいです。
少しでも快適に1冊でも多くの本に触れてほしいから。

今、本棚には100冊を超えるスペイン語の本が並んでいます。
スペインの図書館は1か月借りていられるそうなので、図書館の利用を勧めてくれた人もいましたが、1冊1冊買ってそろえてよかったです。
なんたってこうして並べて気分がいい!
やった!っていう達成感が自信につながります。
初めのころは、いちいち10ユーロ前後する値段を気にしながら買っていましたが、途中から考え方を変えました。

10ユーロを100冊といえば1000ユーロ。

一見すごい金額です。
でも。
語学のプライベートレッスンを1回受けたら100ユーロなんて普通にかかります。
さて、たった10回のプライベートレッスンでこんなに力がつくでしょうか?

追記: しかも多読の場合、高い気がするのは最初だけ。
私の場合、まさに100冊あたりまででした。1ページあたりの単語数はどんどん増えますからレベルが上がるとコストパフォーマンスがどんどんよくなるわけです。たとえば↓
【独学でスペイン語! 】多読39 チリ文学ボラーニョ「野生の探偵たち」

【独学でスペイン語! 】多読40 500万語達成!! は南米女流作家作品

本屋さんとも仲良くなれました。
本を紹介してくれるだけでなく、ソニーやカメラについて質問されたりして無料の会話レッスンです。
「スペイン語100冊読んだよ〜」って言ったら「おめでとう!」ってまたおまけしてくれちゃったし♡
職場や学校がない私にとって、スペインに住んでいるとはいってもなかなかおしゃべりしてくれる知り合いなんてできません。
ネットや大型書店にはない副産物です。

さて、50冊の時になんだかすっと効果を感じた多読ですが、100冊終えた段階で劇的な変化を感じたかというと、実は正直その感覚がありません。
まだひたすら辞書を引きまくって汗をかいて読んでいる感覚が続いています。

でも、効果を検証したかったので、100冊達成は「プチ・二コラ」でフィニッシュすることにしました。

検証の結果は・・・

「プチ・ニコラ」シリーズと出会ったとき、10ページ読むのに1時間かかりました。多い日でも1日かかって100ページがやっと。
その時のようすはこちら独学でスペイン語!多読3「プチ・ニコラ」10歳〜

しかーし!記念すべき100冊目は1冊を1日で読みました!!!
’El Pequeno Nicolas El chiste’ 320ページ!

知らず知らずにスピードアップ。成果があったのは間違いないです。

【購入】
このブログにたどり着いた方のほとんどは日本に住んでいると思うので、「紹介されたって買えないよ!」と思われるかもしれませんが、書籍は関税なしで購入できます。(・・・のはず)

ちなみに私は旅先でいつも本屋さんをのぞきます。
ほしい本がありすぎて本屋さんから家に送ってもらったことも。
スペイン語圏にご旅行の際はぜひ現地の本屋さんで探してみてください♪
観光ルートにない体験としても是非☆

スペインの大型書店といえばFnacやcasadelibroというチェーンがありますが、デパートのEl corte inglesの大型店舗の書籍売り場もけっこう充実しています。
店舗ごとに違うのでどのチェーンがいいとはいいにくいですが、チェーンの名前を知っているだけでも計画を立てるのには役に立つと思います。
私はあまりにも何も知らなかったので本当に手探りで時間がかかりました。

それから美術館の中の本屋さんに案外素敵な作品があります。
セレクトショップ的感覚で寄ってみるのもおすすめです。

子供向けの本の専門店や、中古本のお店もけっこうあるので探検してもいいかもしれません。
いいお店をみつけたら是非私にも教えてください♪

【気に入っている出版社】
●Loqueleo● と ●SM(El BARCO DE VAPORシリーズ)●
紙質がよい2社。
電気の下でもテカらず、よく開くので辞書が引きやすい。

なるべく絵が美しい作品を選ぶようにしているので、その点でも紙質は重視。

この2社それぞれのシリーズの違いは・・・
El BARCO DE VAPORは6歳、7歳、8歳、9歳、10歳〜とこまかく設定。
Loqueloeは4歳 6歳、8歳、10歳、12歳〜

同じ8歳設定でもEl Barco de vaporのほうが字が小さい上ページも多く、レベルも高い気がします。
辞書をより多く引いているイメージ。
1ページにたくさん字がつまっている分価格はお得になります。
しかも8歳ですら300ページ近い作品があり、それでも同価格!

目にはLoqueleoシリーズのほうが断然やさしいし、余白が多くてほっとします。
でもそのせいで同じ分量の作品なら厚くなるわけで・・・
200ページを超えてくるとおさえているのが大変。
厚くなると読みにくいのは洋書あるあるなので、慣れるしかないか・・・。

追記: ●Sopa de Libroシリーズ (Ayara) ●もよさそうです。
     【独学でスペイン語!】多読38 スペイン現代作家 Ledicia Costas


【本の語数の数え方】
人によってはこだわって、あるいは気分転換に読んだ本の語数を本当に1語1語数える方もあるようですが、私はとてもとても。
その時間があったら1ページでも多く読むなり目を休ませるなりしたいです。

では、どうやって100万語と言っているかというと・・・

端から端まで字がつまっているページを抽出して(気になる方はページ数を増やせば確実性が増します)1ページに何語あるかを割り出します。
絵や空白の部分が何ページ分あるかをまとめて全体のページ数から引けば、その作品の使用語数がかなり正確にでるはずです。
同じ出版社の同じシリーズなら1ページの語数は同じなのでそろえて読むとラク!

こうしてブログに多読の目標を公表してしまったからには、100万語が嘘になってはいけない!と思い、空白部分を多めに計算して1冊ごとの語数を少なめに見積もって累計しました。

50冊を越えて100冊の目標をたててから達成まで1か月。
(読書とブログ更新のタイミングは少しずれてます)
100冊の目標をたてちゃったから100冊を区切りにしましたが、実はとっくに100万語を超えていました。後半50冊で70万語あったので1か月で70万語。
このスピードだと1年で840万語。
続けたら早くなるはずだから1年あれば1000万語読めちゃう
生活、仕事、健康を考慮して少しペースダウンする予定ですが
すでに次の10冊が本棚で私を待っています。
楽しみー☆

【独学でスペイン語!】番外編 落ちこぼれを1年で大学に!伝説の教師
【スペイン語特訓終了!語学習得の近道】
【独学でスペイン語!】多読19 101冊め ちびっこ吸血鬼

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【独学でスペイン語!】多読15 下水掃除屋さん

独学でスペイン語勉強中。多読に挑戦です。

今回の本は、本屋さんが「くろ手団は名探偵」を勧めてくれた時に一緒に勧められていた本。
その時は
10歳向けだし。
絵がかわいくないし。
字がギュってつまってるし。
紙がテラっと光るツルツルのタイプだし。etc.etc.

ということで、すぐ脇によけちゃったんですが、次に行った時にも本屋さんはまた
「これおもしろいよ。子供の頃夢中になって読んだんだ」
と言ってくる。

こんな小さな街の本屋さんがわざわざお店に常備してるってんだからおもしろいのかな?
たまには自分で選ばないタイプのを読むのもいいのかな?
なんて
半分お付き合いで買っておいたのですが・・・

マジック・ツリーハウスの最後の3巻をグアアアアアアアっと一気に読んだ勢いで、同じ日に3分の2くらい読んでしまいました。翌朝読了。

klausそれが'KLAUS NOWAK, LIMPIADOR DE ALCANTARILLAS'

2007年のIBIという町の文学賞で優勝した作品で、スペイン人の作家によるものです。

表紙の絵からは、宇宙服かな?科学ものかな?なんて思わされ、書いたらネタバレになるかしら?なんて一瞬遠慮しましたが、そもそも本のタイトルになっちゃってますね。
下水掃除屋さんになった少年のお話です。

下水道が舞台になる話というのはGatos detectivesにもあるし、マジック・ツリーハウスにも出てきたし、なんたってジャン・バルジャンがとっくにいたし、めずらしいようでめずらしくないですが、そこで働く人が主人公。
地味に始まったはずが、気が付けばぐいぐい読まされていました。
少年が事件を解決するんだけれど、ミステリーってほどの謎解きじゃなく、やっぱり人が描かれているってことなのかな?
そこが10歳以上向けの醍醐味かもしれませんね。
この本も最後の一言に考えさせられます。

10歳以上向けですが、90ページの薄い本です。
レベルもマジック・ツリーハウスより読みやすかったかも。
意外と手ごろなシリーズかもしれません。
ただ、冒頭にも書きましたがツルツルの紙なので、夜中に電気の下で読むのは光っちゃって苦戦しました。

注)「多読なのに辞書?」って思われるかもしれませんが「精読でなるべくたくさん読む」っていうのに挑戦中です。その分レベルは欲張らない。
スペイン語は独学なのでKinko流多読です。くわしくは↓
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【独学でスペイン語!】多読18 100冊達成!!!100万語
【独学でスペイン語!】多読16 スペインの新人発掘 

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【独学でスペイン語!】多読14 マジック・ツリーハウス18巻

独学でスペイン語勉強中。多読に挑戦です。

骨太な読書が続いたあとは・・・
       7歳!
レベル下がってんじゃん!

いやいやそうおっしゃらないで。
たしかに薄いです。その上、半分くらいは絵!
でもです。
本屋さんも言いました。
「厚いけど、こっちの10歳向けのほうがやさしく読めるよ」

そう。私もそう推理しました。
なぜなら、このシリーズは7歳と8歳の兄妹があっちの時代、あっちの国へと行ってしまうアドベンチャーだからです。
恐竜のいる太古から月までいっちゃう。
つまり、いろんな分野のいろんな単語が出てくるということなのです。

というわけで、語彙を増やす学習目的で買ってみました。
1冊がこの分量でしかも7歳からでも読めるということは
浅く広くさまざまな単語に触れられるはず!

はたして・・・
第一巻恐竜の巻では10ページ目くらいから「爬虫類」とかプテラノドンとか出てきちゃってます。
pteranodonte以外にも辞書に載っていない単語がいっぱい!
現在使用しているのは白水社の現代スペイン語辞典で4万6千語収録されているものですが、そこに出てこない単語に会えるんです。
辞書に載っていたとしても、たとえば
「白亜紀」なんていうのは普通の小説には出てきませんよね。

でもご安心を。
やさしい文章の中に時々特別な単語が出てくるので子供が覚えるのと同じ感覚で出会える感じです。

世界各地がテーマになる中、日本は早くも5巻で登場。忍者の巻。

予想通り(?)忍者や侍についての記述には少々気になる間違いも・・・。
一応忍者はかっこいい感じになっているし、片目をつぶって楽しみましょう。

そうは言いながらけっこう知識も増えました。(私は7歳児レベルなのか?笑)
たとえば
クロマニョン人がちゃんとした毛皮の服を着ていた!とか

忍者のこともあるので鵜呑みはダメ。すぐ調べました。
するとかなり精巧にできた針で本格的な服を作っていたのがわかりました。
しかもおしゃれ。
ほかにもきっかけをもらっていろいろ調べ、収穫たくさんです。

casa原作はアメリカのMary Pope Osborne
でアメリカ版の劇画タッチの挿絵です。

スペイン語版はスペイン人によるイラスト。
私はこちらのやさしいタッチのほうが断然好きです。
妹アニーの無鉄砲が子供ながらの先走りとほほえましく見られるのもこの絵のおかげな気がします。


そんなほのぼのした絵とたっぷりの余白。
本業の方で余白を常に意識している私ですが、
こんなところで余白に感謝。

多読はいいけど目が悪くなりそー!と思っていたこの頃。
余白に癒されました。

心にも頭にもやさしい余白。
中の絵も全部カラーで、しかも構図がいい。
読むのに疲れた時など、ボーっと景色の絵を眺めているのが心地よかったです。

このシリーズも見開きのすべてに絵があり、解釈の手伝いもしてくれます。

日本語版「マジック・ツリーハウス」あるいは原語の英語を併用すれば、
人によってはかなり早い段階から使える便利なテキストになるのでは?

原作と日本語版は40冊を超えていますが
今のところスペイン語版は18巻で完結しています。
18巻でも少なくはないですが、18巻の終わりにそこまでの世界観がみごとにつながるさわやかな結末が待っているので私にはちょうどいい終わり方に思えました。

Serie La CASA MAGICA DEL ARBOLの一冊はざっと見たところ5000語くらいでしょうか。
その量のおかげもありますが、やっぱりシリーズものは多読の味方です。
設定がわかっているし、作者の言い回しが同じなので
あとの巻になるほど読むのが早くなります。

スペイン語版18冊。一気に読み、思ったよりずっと早く累計80冊まできました。
私のスペイン語独学。ひとまずの目標は100冊。
多読でがんばりまーす!

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【独学でスペイン語!】多読13 誰もがクジラを愛してる???

ballena'Las ballenas cautivas'(8歳〜)
知り合いの息子さんが貸してくれました。
その子はもう11歳なので、お母さんが「急がなくていいわよ。」と言ってくれたのをいいことに積読になっていたもの。

だって!「8歳から」と書いてあるのに、今まで読んだ8歳向けより小さい字がびっしり並んでるし、絵もしぶすぎてなんだか難しそうなんだもの。

それでも、とうとう他の本をみんな読んでしまったので挑んでみました。
最初の数ページはものすごく辞書を引かないといけなかったし辛いかな?と思ったけど、ぐっとこらえて・・・

エスキモーの家族がクジラを発見。
真冬の海に裸の上半身をつっこんでまでみつけたクジラなのにおじいちゃんは捕らないで助けるという。
なんで?

エスキモーの命への向き合い方とか、おじいちゃんを尊敬する孫のYakの姿とか、「いい話だな」と思って読み進める気になったのですが意外な展開が待っていました。

実話をもとに作られたストーリーと書いてあるので「実話、クジラ救出」とか日本語でググってみたら同じ映画の記事がズラッと並びました。

「誰もがクジラを愛してる」(2012)

宣伝とか口コミを見ると、この話にそっくり。
もしかしてこのLas ballenas cautivasが原作?と思いましたが、
「誰もがクジラを愛してる」の原題はThe big miracleで、Tom RoseのThe big miracleという小説が原作なんだそうです。

同じ出来事をもとに作られたのは間違いないと思いますが、
ペルー出身のCarlos Villanes Cairoが1991年に書いた’Las ballenas cautivas’のほうはというと、Miracleという描き方はされていません。
クジラを食すエスキモーを非難するグリーンピースは出てこないし
クジラ救出大作戦をエキサイティングに描くというよりは、自然への畏怖を伝えるおじいちゃんと孫のシーンのほうに軸足がある気がしました。

でも最後のシーンのエスキモー家族の言葉はどうとらえたらいいんだろう。

自分の海域ですらない北極のクジラを3頭助けるために軍まで動員して国をあげてのお祭り騒ぎをしたアメリカの不自然さを含め、いろいろ考えさせられる本でした。
まだ米ソ間がピリピリしているようすも書かれていたりして「8歳の子にわかるの?」と思いましたが、私が借りた2011年出版の本の表紙には37版とあります。スペイン語圏には賢い子供たちがいっぱいいるのですね〜。

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【独学でスペイン語!】多読14 マジック・ツリーハウス18巻

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【独学でスペイン語!】多読12 エクアドルの物語

2019年キト。

南米大陸で初めてパフォーマンスをしました。

長距離フライトだし、着いたら空気は薄いし、ミネラルウォーターだし、それだけでも体がきついのに、事前にたのんでおいた人材も時間も確保されていないわ、チーム内もややこしいわで、
いまだに腕と肩に後遺症が残るくらい一人で作業を背負うことになりました。

本当に苦しい体験だったけど、思い出されるのはいいことばかり。

パフォーマンスの成功はもちろんのこと

現地で出会ったおばちゃまと
赤道をまたいだり、お寿司を食べたり、楽しかった〜♪

その辺のドタバタは臨場感たっぷりに書いていたので
興味のある方はぜひコチラ

さて、そのキトでは胸躍るお土産がたくさん買えました。

でも買ったのはチョコやケーナだけじゃなーい!

ちゃんと本も買いました。

本屋さんで子供向けの売り場にいた店員さんに相談しました。
おすすめの本はありますか?といったら、最初は外国のものばかり見せられました。
「エクアドルに来た記念にエクアドルの作家のものがいいんです!」

困った顔をした店員さん。
しばらく考えてこの2冊をすすめてくれました。

IMG_20190927_150608’Los dias raros’(右)は絵本。

絵もエクアドルのアーティスト。
子供の売り場にありましたが文も絵も大人っぽいです。
文はとても少ないので帰ってきてすぐ読みましたが・・・わからない。

これはスペイン語力の問題ではなくて世界観の問題かな。いまだにわかりません。時々開いて考えようと思っています。

'Cuentos y tradiciones orales del Ecuador'(左)は
エクアドルの8つの地域に伝わる11の物語が収められています。
最初に地域の歴史や文化の説明があり、その後その地域の物語を楽しむという構成です。
物語好きの方だけでなく、
エクアドルについて研究している学生さんとかにも便利そうな本です。

表紙のようなカラーの挿絵が時々あって、ほかのページにはピラミッドの石に彫られているような鳥や魚の意匠があって南米の雰囲気を漂わせています。
文字も細かすぎるほどではなく、150ページというボリュームはすぐ読めるんじゃないかと思って買ったんですが・・・。
これも何度か挑んではあきらめるを繰り返していました。

やっと読めたー。
薄い本だけどちょっと時間がかかりました。

南米ならではのお話はもちろん、
「寿限無」のエクアドル版みたいな笑い話や
「王様の耳はロバの耳」そっくりな話
7つの頭を持つヘビを退治なんて話もヤマタノオロチみたいだな、なんて思いながら読みましたが、
地獄とか神さまとか非日常な世界の話で魔法まで使われちゃったりすると、きちんと単語と構文を理解しないと全然わからなくなっちゃいます。
でもわかった時に結構感動があったなあ。

スペイン語を始めなかったら触れられなかった世界だと思うので、スペイン語をやっててよかったなと思います。
他の国の昔話も読んでみたくなりました。
これからもスペイン語がんばるぞー!

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【独学でスペイン語!】多読11 ドン・キホーテ

終わったーーーーーーーーっ!!!
すごい達成感。
「ドン・キホーテ」をスペイン語で読みましたーーーーー!

とはいっても、もちろんこちらです。

don「スペイン語で読むやさしいドン・キホーテ」

前にご紹介した絵本「QUIJOTE」が5年眠っていたと申しましたが実はこちらも同じくらい眠らせてました。

同じくNHK出版の「やさしく読めるスペイン語の昔話」と「続・やさしく読めるスペイン語の昔話」同様、対訳と注釈がついていて辞書をひかずに読めるというつくりになっています。

しかしこちらはやさしくなかった・・・。

何度か挑もうとしたのですが、最初からつまづきました。
時代劇ですからね。
いくら対訳で右ページに意味が書いてあるといっても2行目にいきなりhidalgo(=郷士)なんていう初級では、というか現代の生活では触れることのない単語が出てきてくじけました。

こまかーーーーーい字がぎっしりでとても終わりそうになく、たまに思い出しては「日本語訳だけでも」なんて開いてみるのですが、
だめだ。
と閉じるの繰り返し。

それがです。

すらすら読めちゃったーーーーーっ!

やっぱり50冊の壁を越えたからじゃないかしら。

たった二日で読めました。

幸四郎さんの「ラ・マンチャの男」を観劇したこともあるのに、いまいちイメージがつかめないでいたドン・キホーテ。でも、もう大丈夫。わかったぞお!

この本自体に色はなく、ゴヤの版画のようなしぶい挿絵が入っていて重々しいのですが、読んでいると、先日ご紹介した絵本「QUIJOTE」の色鮮やかなイメージが頭に浮かびました。

同時に、絵本では簡略化されすぎていて唐突だったシーンも「ああ、こういうことだったのか」と補うことで理解が深まりました。

読み終わってみれば、このぎっしりの文字数と重々しい装丁にむしろ誇らしさを感じさせてもらえます。

スペイン語を学ぶからには一度は読んでみたい「ドン・キホーテ」。

初級〜中級のスペイン語におさえられていますが、もっと堪能な方が読んでも読みごたえのある内容ではないでしょうか。
この本を作った方々の心意気を感じる良書です。

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