(つづき)

なんでこうなっちゃったんでしょうね?

日本には昔から優れた芸術があって、
芸術家を支援するパトロンもいて、
世界に名だたる芸術を生み出してきた国なのに。

もちろん現在の日本にもプロの画家さんや彫刻家さんたちが存在しているけれど、
純粋に作品で生きている人は何人いるのか?

新聞屋さんが宣伝してバカみたいに人がおしよせる
ピカソ展、みたいな大展覧会は日本各地で開かれているけれど
それって過去のスターの作品じゃないですか。

現代の作家の作品に出会う場所って少ないでしょう?

で、そういう層を飛ばして
あっちこっちでみかける
「○○展」というのは、貸ギャラリーで自主開催しているものがほとんどですよね。
貸ギャラリーというのは、
お金を払って場所を借りるわけなので、
よっぽどひどい内容でない限りは、予算と日程さえあれば借りられるわけです。趣味でも。

借りた間はここでの時間と空間は自由に使える

というメリットはありますが
基本的には自分の知り合いが来るだけのことなので
その先の可能性はあまり期待できません。
行く度にレベルも種類も変わってしまう空間ですから
貸画廊めぐりが好き、という趣味の人もなかなかいないのではないでしょうか。

まあそれが日本の現状なので、

「今度個展やるんだ!」
とか
「ギャラリーが作品を置いてくれたんだ!」
と言っても、
この貸ギャラリーを想像されてしまうことが多い。。。残念すぎる(涙)

「へえ。いくら払ったの?」
みたいな。

ひどい人になると
「お金払ってまで見てもらいたいの?物好きだね」
くらいのことまで言っている人もいます。

(つづく)

書家・美術家 金子祥代 Kinkoちゃん随筆 
http://www.kinkochan.com/
長年古典で培った書の力をベースに世界各地で現代アートの世界を展開中

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